ウケる人、スベる人の話し方ー所ジョージも実践するツッコミの“ある秘訣”とは?ー
ウケる人は極端な先読みをする
スベる人は無難な先読みをする
以前、日本テレビの『世界まる見え!テレビ特捜部』という番組で、「まがい物売り太郎」という、実演販売のセールスマンのキャラクターに扮したビートたけしさんが、スタジオと生中継をつなぐことがありました。
その時、売り太郎さんは、販売するハサミの切れ味を視聴者に紹介するために、なぜか明石家さんまさんの楽屋に勝手に入っていきました。そしてなんと、さんまさんの私物のダウンジャケットの袖やズボンの裾を、その場でチョキチョキと切っていったのです!
もちろん、そんな中継が入ってきたスタジオは、観客から悲鳴があがるような展開となり、大盛り上がり(?)です。被害を受けたさんまさんも「ヤメロー!」とか、「あれはほんまに自前や! 何着て帰ろう」と応戦。
しかし、売り太郎さんは、そんな声を気に留めることもなく、切ったズボンの裾と袖のないダウンジャケットをホッチキスで留める謎の修理をしたり、さんまさんの私物のDVDプレーヤーも破壊するなど、やりたい放題の限りを尽くしました。そして、ようやく衝撃的な中継が終了しました。
その時です! スタジオで、さんまさんの隣に座っていた、所ジョージさんが、さんまさんと話し出し、何らかの総括をする雰囲気を醸し出しながら、こう言ったのです。
「さんちゃん。よく切れるから、あのハサミ、欲しくなったでしょ!」
この所さんの意外すぎる先読みに、スタジオは大爆笑。もちろん、さんまさんも、大きな声で「欲しくないわ!!」と即答し、それにより、さらなる笑いが起きました。
このように、ウケる人というのは、とにかく「極端な先読み」をします。
もし仮に、素人のスベる人がスタジオにいた場合は、「さんまさん、大変でしたね〜!」と声をかけるぐらいが精一杯でしょう。もちろん、そんな声かけでは、極端な先読みほどは、笑いが発生しないのは明らかです。
なぜ、ウケる人は「極端な先読み」をするのかというと、あえて極端な方向に話を振ることで、いわゆる「ツッコミどころ」を意図的に、かつわかりやすく作りたいからです。
そうすることで、さんまさんの「いらんわ!」というようなツッコミを引き出しやすくして、会話中の笑いの数を増やそうとしているのです。では、どうすれば普通の人でも、極端な先読みができるようになるのでしょうか。
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