「桜を見る会」に神田うのと梅宮アンナ
何でもかんでも「平成最後の〇〇」と押し出される日々が、あと1週間ほどでようやく終わろうとしている。「安倍総理大臣が主催する『桜を見る会』が開かれ、あいさつで安倍総理は平成最後の桜を前に新しい時代に向けた決意を語りました」(テレ朝News)などと、当然、桜にも「平成最後の」がくっつけられた。その平成最後の「桜を見る会」の様子を伝える朝日新聞デジタルの記事には、「平成最後となる同会には、歌手の五木ひろしさんやアイドルグループ『ももいろクローバーZ』など芸能人ら約1万8200人が出席した」とある。その人選は、これだけ幅の広い芸能人が登場したんです、ってことを知らせようとしたのだろうが、記事に掲載されている写真は、神田うの・梅宮アンナ・IKKO・MayJ.の並びだった。どういうことだろう。あまりに気安く連呼された「平成最後」が磨耗した結果、平成がそのまま続いていくようなメンツが残されたのだろうか。
平成について何かを書いて欲しいとの依頼を受け、『平成遺産』というオムニバス本に12000字の長大な神田うの論を書いたのだが、そこに「どこで何をしていようが気にならない存在である。でもそんな彼女は、年に一度くらいは必ず私たちの視界に飛び込んでくる。タイム・イズ・マネーなのに、私たちは貴重な時間のいくらかを神田うのに費やしてきた」と記した。要所要所で、必ず私たちの前に現れるのが神田うのだ。平成最後の「桜を見る会」は、改元周辺の盛り上がりをできるだけ自分の手柄にしようと企む政治ショーのひとつとして組み込まれていたが、その政治ショーとして、「神田うの・梅宮アンナ・IKKO・MayJ.」が正解だったとは思わない。新しい時代がやってくる躍動感が感じられなかったからだ。
神田うの8.0
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