《アルテミス:信奉者たちから贈られたマントを留める狩りの女神、通称「ギャビーのディアナ」》
(イタリア、100年ごろ)
夏らしく、海。そんな発想かはわかりませんが、地中海をテーマに据えた展覧会が上野・東京都美術館ではじまりました。「ルーヴル美術館展‐地中海 四千年のものがたり‐」です。
展名に「ルーヴル」を冠すると、それだけですごい展覧会だろうという気がしてきますね。パリの中心に鎮座する、世界最大級のあの美術館が関わるとなれば、一気に期待値が上がります。
今回は「大ルーヴル」から、どんな作品が海を渡ってきたのか。残念ながら、館を代表するようなものは、出品作に含まれていません。《モナ・リザ》が来るはずもなく、《ミロのヴィーナス》や《サモトラケのニケ》も無理です。そんなにやすやすと、エース級を遠い日本の美術館へ貸し出すわけにはいきませんから、まあ当然ですね。
ただ、それほどがっかりすることもありません。エースはいなくとも、あるテーマのもとに集められた佳品が、かなりまとまって運ばれてきていますから。
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