神経発達症(発達障害)とは高速道路が通行できない状態

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCの子を育てる親向けに、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本』をcakesで特別連載!(毎週木曜更新)

発達を脳で診る視点

 私は、精神科医として臨床の現場に立つまでに、神経の研究をしていた時期があります。北海道大学医学部卒業後、最初は脳外科に入局しました。しかし実際に研修に行ってみて、自分の不注意さは脳外科向きではないと思うようになり、神経内科を専攻することにしました。その時代に感覚運動障がいに興味を持ち、「感覚統合療法」を学び実践しました。
 その後、北大大学院でシナプス生化学の基礎研究に携わっていましたが、そのまま研究に勤しむ人生を送るか臨床医になるかという人生の決断のときを迎えて、障がい児医療に転向して児童精神科医になったのです。
 以来、ずっと発達の問題を中心とする精神医学に取り組んできましたが、それまでの経歴もあって、発達についても「脳で診る」という視点を持ち続けてきました。
 いまは脳科学がずいぶん隆盛になったおかげで、発達についても脳と絡めて捉えられるようになってきましたが、以前は行動面の特徴でしか診られていなかったのです。

 私は、脳を6つの部位に分けて捉えています。右脳と左脳、前頭葉と後頭葉、さらに脳を横から見て、上が大脳皮質、下が大脳辺縁系となります。

 (1)この6つそれぞれの活性度がどうか
 (2)前後、左右、上下のバランスがどうか
 (3)うまく結びついているかどうか

 このような3つの考え方で、レベルとバランスとその結びつきを考えます。
 中でも重要なのが、結びつき、他の部位との連絡です。非常に緻密な連絡網が形成されるのですが、これは生育過程で発達しながらつくられていきます。
 そもそも、脳はどういうふうに発達していくかご存じですか?
 脳の発達は、下から上へ、右から左へ、後ろから前へ、中から外へと進んでいくという原則があります。
 発達の初期に古い脳で異常が起きると、それはその部位だけの問題ではなく、相互のバランスや、互いをつなぐ連絡のうえで「偏り」が生じます。それが脳全体に反映され、最終的に左前頭葉の発達に影響します。だから広汎性の障がいが起きると言われるのです。
 もともと持っていた遺伝子に何か問題があったとか、お母さんのおなかの中にいたときに何かがあったとか、生まれてくるときに何かあったとか、脳の連絡網の正常な育成を阻んでしまう要因はいろいろあり得ます。

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子どもの敏感さに困ったら

長沼 睦雄

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einem12 脳ミソに興味津々❗ HSC(敏感気質)の子を育てる親向けに、その特徴や傾向を解説! https://t.co/qdKklc7ONb #スマートニュース 7ヶ月前 replyretweetfavorite

hataPRISMDLABO HSC(敏感気質)の子を育てる親向けに、その特徴や傾向を解説! #SmartNews https://t.co/wnxFeHasqh 7ヶ月前 replyretweetfavorite