相手との「共有エリア」に立つ。広告コピーも日常会話も同じこと。

「脳内データベース」を駆使して、上手に発想するところまでは来た。さて、その後、どうするか。簡単にいえば、受け手の考えていることを、自分の考えることにしてしまうのだ。「受け手」の喜びは自分の喜び、「受け手」の不満は自分の不満。出てくる言葉は、自然と相手にすんなり伝わる。広告コピーでも日常会話でも、それは同じなのだ。話題の『伝わるしくみ』から特別連載。


「共有エリア」の正体

 うまく伝えるためには、受け手と送り手の「共有エリア」が必要だ。

 この「共有エリア」は「受け手がベネフィットと感じること」の推定の精度を改善してくれる。イラストの重なっている部分が「共有エリア」である。それは受け手の考えていることだが、それは同時に送り手の考えていることでもある。

「受け手」の考えていることを「発想」のフローを通して明らかにして、それを「共有」するのである。そうすることによって、「受け手」の喜びは自分の喜び、「受け手」の不満は自分の不満とすることになる。

「通勤は眠いのだ」
「仕事は半分、人間関係だ」
「年齢は気になる、よくも悪くも」
「仕事はできるようになってはきたが、自信と自信喪失を行ったり来たり」
「未来を思う暇はない」
「しかし自分を伸ばしたい」

 そこに送り手と受け手の思いに齟齬はない。

 共有エリアから受け手に向けてメッセージを送ることは=自分に向けてメッセージを送ることだ。

「受け手の言って欲しいことを(受け手に)言ってあげる」ことは
=「自分の言って欲しいことを(自分に)言ってあげる」ことだ。

 自分の言って欲しいことがそのまま「受け手がベネフィットと感じること」なのだから、「送り手の想定する受け手のベネフィットと、受け手が認めるベネフィットが違う」の事態は避けられる。
(ただし、女性に特に関わること、女性にしかわからないことはあらかじめ省いてある。「女性の恋愛観・結婚観」などは、ぼくのような男には共有しようがないからだ)

「共有エリア」のための「発想」のフローを完成させてみる。

受け手と共有できる「テーマ」を設定する
    ↓
「アングル」×「ツリー」
    ↓
「共有エリア」
    ↓
「アイディアの発見」
    ↓
受け手にとっての「ベネフィット」の選択・決定
    ↓
それを受け手に「伝える」

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