◆蟻の穴から堤も崩れる
話を「ときめきメモリアル」に戻そう。
引き出しのエピソードから推し量っていただけたら嬉しいが、男性の声だけがない世界、というのは、他の女の子が全員喋っていることと相俟って、ゲームの世界での違和感として存在してしまう。
他が皆喋っている中で、一人だけ喋らないタイミングがあると、人はそこでふっと我に返り、これは現実ではない、と痛感することになってしまう。
徹底して作り込まれた世界であればあるほど、僅かな綻びが目立つ。
これは、小説でも同じだ。
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