読みたい人、書きたい人のミステリ超入門

第29回 『ときめきメモリアル』は黒澤明の夢を見るか(3)

徹底して作り込まれた世界であればあるほど、僅かな綻びが目立つ。書かれていないことが、単に書かれていないのか、それとも決まっていないのかは、読む者には伝わってしまう。 電子書籍文芸誌「yom yom」に掲載中の人気連載を出張公開。

◆蟻の穴から堤も崩れる
 話を「ときめきメモリアル」に戻そう。 
 引き出しのエピソードから推し量っていただけたら嬉しいが、男性の声だけがない世界、というのは、他の女の子が全員喋っていることと相俟って、ゲームの世界での違和感として存在してしまう。
 他が皆喋っている中で、一人だけ喋らないタイミングがあると、人はそこでふっと我に返り、これは現実ではない、と痛感することになってしまう。
 徹底して作り込まれた世界であればあるほど、僅かな綻びが目立つ。
 これは、小説でも同じだ。

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yom yom vol.55(2019年4月号)[雑誌]

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新潮社
2019-03-15

この連載について

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読みたい人、書きたい人のミステリ超入門

新潮社yom yom編集部 /新井久幸

ミステリ作家志望者、必読! 「新潮ミステリー倶楽部賞」「ホラーサスペンス大賞」「新潮ミステリー大賞」など、新潮社で数々の新人賞の選考に携わってきたベテラン編集長が考えるミステリの読み方・書き方の<お約束>とは――。電子書籍文芸誌「...もっと読む

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コメント

editor_of_SS 今回まで読んでもらうと、全体の意味が分かると思います/ 約1ヶ月前 replyretweetfavorite

yomyomclub 更新しました!→ 約1ヶ月前 replyretweetfavorite