荒木雅博 /井端弘和
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第2回】華麗なプレーはいらない
WBCで一躍「時の人」となった中日ドラゴンズの内野手・井端弘和選手。地道な努力を重ねた「いぶし銀」だからこそ、大舞台に動じない理由がある。今連載では、7月18日発売の『勝負強さ』に収録された、「井端弘和vs荒木雅博 アライバ対談」の一部を公開!(取材・本郷陽一)

(写真は時事通信社提供)
——守備についてはレンジファクター(アウト寄与率)という指標があって、どれだけアウトに寄与したかが数値化されています((刺殺+補殺)÷ 守備イニング数 × 9で計算)。つまり、いかに守備範囲が広いか、ヒットになりそうな打球をアウトにしたかという指標で、井端さんは、その数値が非常に高い。その話を聞くと理由がよくわかります。
井端 でも決していいプレーをしようと思ってやっていない。飛びついてキャッチするようなプレーはできる限りしたくない。ヒットになりそうな当たりをなんでもないようにさばけば、ピッチャーも安心するでしょう。確実にアウトにできる打球をアウトにしようと思っているんです。どんなに華麗で見栄えがよくても、それでエラーするぐらいなら、泥臭くともアウトにした方が本当のプロと言えるんだと考えています。
荒木 井端さんは、どんなに合ってないバウンドでも捕りますから。セカンドのポジションで横から見ていて、「バウンドが合ってない!」と、ドキッとしても、間違いなく捕ってアウトにします。昔からそうです。凄いことです。
——内野の守備でアマチュアからプロまで難しいとされているのが、ゴロのバウンドの合わせ方です。秘訣を教えて下さい。
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この連載について
荒木雅博 /井端弘和
WBCで一躍「時の人」となった中日ドラゴンズの内野手・井端弘和選手。地道な努力を重ねた「いぶし銀」だからこそ、大舞台に動じない理由がある。今連載では、7月18日発売の『勝負強さ』に収録された、「井端弘和vs荒木雅博 アライバ対談」の一...もっと読む
著者プロフィール
1975年5月12日生まれ。神奈川県出身。堀越高校、亜細亜大学を経て、97年のドラフト5位で中日ドラゴンズ入団。右投げ右打ち。ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞7回受賞。13年のWBCで大活躍し、2次ラウンドMVPと大会ベストナインに選ばれた。日本プロ野球選手会理事長。
1977年9月13日生まれ。熊本県出身。熊本工業高校を経て、95年にドラフト1位で中日ドラゴンズ入団。右投げ右打ち。ベストナイン3回、ゴールデングラブ賞6回受賞。