もうすっかり過去の人
このコラムがアップされるのは毎週水曜日で、原稿の締め切りは火曜日のお昼まで、イラストを書いてもらう都合上、前週の金曜日には書く人を決めなければいけない。これから五輪担当大臣を辞めた桜田義孝議員について書くわけだが、彼が自民党・高橋比奈子議員の政治資金パーティーで「復興以上に大事なのは高橋さん」と述べ、即日で辞任に追い込まれたのが水曜日、新聞やニュースで集中的に報じられたのが木曜日だ。つまり、彼が辞めることになってから1週間しか経っていないのに、もうすっかり過去の人になっている。「いまさら桜田の話なんていいよ」と、アクセス数も奮わないはずである。
安倍首相「任命した私に責任がある」
桜田議員という存在を否定するのは簡単、それよりも、なぜあの程度の人が五輪担当大臣という要職に居続けられたのかを考えるべきだろう。とはいえ、自分が経験したことのない職務について「あんなの、誰でもできるだろ!」と雑に片付けるのは、保育士の給料はなぜ低いのかを問う記事を貼り付けて「誰でもできる仕事だからです」とツイートした堀江貴文のようで気が進まないが、桜田を見ていると、さすがに誰でもできそうに見える。サイバーセキュリティ対策も担当していた桜田だが、パソコンを使用したことがなく、その理由を「25歳の時から独立してやっており、従業員や秘書に指示をしてきたので、自分でパソコンを打つことはない」と豪語した。このご時世、最大のセキュリティは、自分でパソコンを打たないことだと教えてくれた。
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