自分でその状態を作ったのだから、自分でうつを治すことも100パーセントできる

自衛隊初の現場の臨床心理士として、トップの利用率と9割の復職成功率を誇り、これまで3万人以上の心を解放してきた玉川真里氏が、落ち込みから立ち直るメソッドをわかりやすく紹介します。『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』をcakesで特別連載!(毎週火曜更新)

「死ぬしかない」は究極のとらわれた状態

 重いうつになると、逃げること、イコール「死」ということが一番の解決法であるかのように思えてきます。
 これは究極の「とらわれた状態」です。自分がとらわれの身になっているのです。逃げること、死ぬことにとらわれているので、まずは自分がとらわれているものとよくよく向き合ってみて、本当にそれしかないのかを考える必要があります。
 自分の敵は誰かと考えてみたときに、悩んでいる人はよく「あの人がこうだから」といいますが、一番怖いのは自分なのです。
 人は自分で自分を殺す生き物ですから、究極の敵は自分です。
 それでも、SNSなどで人に向かって「死にたい」というメッセージを送ってくる人は、本当は「助けてほしい」という期待があってそうしています。
 でも、私がその人を助けることはできません。知り合ってつながってこられた以上は死なれるのはいやだし、気持ちを知ってしまった以上は死んでほしくないですが、それは私の力ではどうにもできないと思っているし、本人にもそう伝えます。生きるか死ぬかは自分で決めるしかないことなのです。
 私はただ、ただ小さい人間なのです。「私もあなたも小さい人間である。魔法は使えない」ということを、いつも繰り返し説いているだけです。
 人は、どうしても幻想を抱きます。あっという間に回復させてくれるすごい先生や、薬や〇〇療法が見つかると思ってしまうのです。でも、そんな魔法はありません。
 そして心の不調にしろ体の不調にしろ、不快なものは必ずやってくるのです。
 それなら、「その時間をどう過ごすか、そこから何を得るのか」というところにつなげていったほうがいい、私はそれを言っているだけなのです。

人間は弱いからこそ愛おしい

 先日、職場の人間関係がうまくいかず、うつになって薬を飲んでいる人のカウンセリングをしました。もともと発達障害で人間関係が下手だという自覚のある人です。
 でも、その人の場合も、小学校ではうまくいかなかったけれど、中学高校はいいメンバーに恵まれて、トラブルは一切なかったといいます。
 うまくいく場合もそうでない場合も、そのときたまたま集まった人にどんなタイプが多かったか、感受性の似た者同士が集まっていたかどうかという、ただそれだけの話なのです。他人は他人なのです。
 いろいろな感性の持ち主がいるわけですから、使う言葉やふるまい方も、「こうしていれば100パーセント人間関係がうまくいって良い評価が得られる」というものはありません。それを追求できるのはコンピュータだけです。でも、コンピュータは愛される対象にならないですよね。
 弱くて不器用、それが人から「愛らしいね」と言われる要素なのです。
 赤ちゃんがなぜ愛らしいかというと、弱くて何もできないからです。何かしてあげようと思うから愛らしく、愛おしいのです。
 赤ちゃんが一人で歩けて、「オッパイなんかいらねえぜ」なんて言ったら、愛おしくも何ともないですね。
 だからその人にも言ったのです。

 「弱さを否定したら誰からも愛されないですよ。努力するの、やめたら?そのままでステキだと思うから」

 私は、その人は本当にそのままでいいと思ったのです。
 そもそも、うつ病って本当に病気なのだろうか?とさえ思います。
 おかしな疑問だと思いますか?
 確かに、うつ病という名前がついているので、一般的には病気だと思われていますよね。でも、赤ちゃんでうつ病の子はいません。生まれたときから「死にたい」と思っている子は誰もいません。
 だから、うつという状態は生きている中で二次的に生まれたもので、自分で思い込みを深めてイヤな気分をこじらせていった、その先に表れる症状のようなものではないか、そう思っているのです。

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イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ

玉川真里

自衛隊初の現場の臨床心理士として、トップの利用率と9割の復職成功率を誇り、これまで3万人以上の心を解放してきた玉川真里氏が、落ち込みから立ち直るメソッドをわかりやすく紹介します。『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』をcak...もっと読む

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