わかる日本書紀① 神々と英雄の時代

頑固な兄と、したたかに生きる弟【初代⑤】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した『わかる日本書紀① 神々と英雄の時代』から、日本の正史を学ぶ連載。

エシキとオトシキの兄弟

【主な登場人物】

十一月七日、皇軍は大挙してシキツヒコ(磯城彦)※1を攻めようとしました。まず、使者を遣わしてエシキ(兄磯城)を召しました。ところがエシキは、その命に従いませんでした。それで重ねてヤタカラス(頭八咫烏)を遣わして召しました。ヤタカラスは、エシキの陣営に着くと、

「天つ神の御子がお前を呼んでおられる。さあ、さあ」
と鳴きました。するとエシキは怒って、
「天の威圧的な神がやって来たと憤慨しているときに、どうして烏がこんなに悪い声で鳴くのか」
と言うと、弓を引き絞って矢を射ました。ヤタカラスはさっと逃げ去りました。

ヤタカラスは次にオトシキ(弟磯城)の家に行って、
「天つ神の御子がお前を呼んでおられる。さあ、さあ」
と鳴きました。すると弟は恐れ敬って、
「天の偉大な神が来られると伺い、朝夕に恐れ畏(かしこ)まっておりました。ヤタカラスよ、鳴いて知らせてくれて良かった」
と言うと、柏の葉で作った八枚の平皿に料理を盛ってもてなしました。

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マンガ遊訳 日本を読もう わかる日本書紀1 神々と英雄の時代

村上 ナッツ,村田 右富実,つだ ゆみ
西日本出版社
2018-12-18

この連載について

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わかる日本書紀① 神々と英雄の時代

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

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