沖縄に向かうフェリーの甲板で、2人の女が話していた。
ひとりは30代半ばくらいの年増、ひとりは20歳くらいのギャル風のルックス。
あまり街中で見ない組み合わせだが、フェリーに2人で乗り込んできたから、おそらく友人なのだろう。
どちらかというと、年増の方がよく話し、ギャルの方がそれに応えるコミュニケーションをとっている。
ときおり、年増の方が海をみて、「きゃー、海きれい」と奇声をあげたりするので、そろそろ沖縄に近づいたのかもしれないことがわかる。
鹿児島を出発して20時間、海が翠色にだんだんと変色して、波も太平洋の荒さではなく、東シナ海の穏やかさに変化していくと、甲板にそよぐ風も熱帯の香りを鼻腔に運んできている。
年増が自分の荷物から水着を出すと、自分の身体にあててギャルに聞いていた。
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