人種のサラダボウル」とは、各々が個性を失わず共存していること

若い世代から絶賛の声続々!の『高校チュータイ外交官のイチからわかる! 国際情勢』から特別連載中、今回の重大問題は「12-移民のはなし~人種のチョップドサラダ?~」も後編です。移民について、わかりやすく深掘りしていきます。

ロボットが増えても経済はよくならない

 人口減少が止まらない日本。人口が減少すると、製品を生産する人も、その製品を買う人も減ります。そして、全体的に消費活動が縮小していきます。

 経済が豊かになるためには、たくさんの消費が生まれなければなりません。そのためには、生身の人間が必要です。ロボットは自分で買い物もしないし、食事もしません。家も建てなければ、旅行にも行きません。だから、ロボットが増えたところで、人間のような消費活動は生まれないのです。つまり、ロボットは、不足した労働力を補うことにはなるかもしれないけど、経済活動を生み出すことはできないのです。

 では、減った分の人口を移民で補うという考えはどうでしょう? 国籍は違うかもしれないけれども、移民が増えれば、その分人間が増えます。人間が増えれば、消費が増えます。毎日食事もするし、家も借りるでしょうし、休日には旅行に行くかもしれません。こうした消費活動は、経済に貢献するのではないでしょうか。 財政や労働力不足への貢献  移民は、税金も払います。毎日の買い物で消費税も払うし、お給料をもらっていれば所得税も、住んでいる自治体には住民税も払います。人間の増加により消費活動がさかんになって、企業がもうかれば、企業が納める法人税も多くなります。

 税収が上がれば、国や地方自治体のお財布はうるおいます。経済活動が増えれば、GDPは増え、経済力も上がります。経済力が上がれば国際社会での発言力も増します。

人口は国力です。まさにマンパワー。国の経済が豊かになるためには、その国にたくさんの人間がいなくてはいけないのです。

 現在の日本の人口は約1億2700万人。日本の人口は、実は世界的に見ても多いのです。おとなり中国の人口が多いので、なんだか日本の人口は少ないというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、人口が1億を超えている国は世界に13カ国しかなく、日本はメキシコに次いで11番目に人口の多い国です。

 戦後の1950年でも、日本は世界第5位の人口を誇っていました。日本は実は昔から人口の多い国だったのです。よく、戦後の劇的な経済成長の理由は、日本人は働き者だから、とか、日本人のマジメでコツコツとした国民性、といった理由が挙げられます。確かにそれもあるかもしれないけれども、人口の多さが日本の経済発展に貢献したことは疑いの余地がありません。

 しかしながら、日本の人口は将来的にどんどん減っていきます。このことについて、わたしたちは真剣に危機感を持たなくてはいけません。少子高齢化社会では若い労働力が足りなくなります。そして人口減少が進めば、どんどん労働力が減っていき、働き手不足が起きます。このような状況の中では、移民が入ってきたところで、誰かの職を奪うわけではなく、むしろ労働力不足を補ってくれるのではないでしょうか。

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高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢

島根玲子

貧困、移民、難民、食料、エネルギー、関税、自由貿易、核兵器……etc.やりすごしている重大問題丸わかり! 元コギャル外交官が明快解説する『高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢』から特別連載!

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