写真で話そう

自分なら何が撮れるかを考える

写真家・ワタナベアニさんの連載。前回は「オリジナリティは難しくない」という話でしたが、今回はその個性をいかにして出すかについて考えていきます。

ワタナベアニです。先日、ロケの前にカメラを2台メンテナンスに出しました。その「数時間待ち」を手ぶらで過ごすことができないので、預けた後にも写真が撮れるように別のカメラも持って行きました。これはまあ病気ですね。職業病と言うんだから立派な病名です。

結局出来上がるのは翌日だというので、街を撮りながら帰りました。たくさん撮るわけじゃないし、一枚も撮らないこともあるんですが、目の前で起きた出来事に「カメラがないから撮れなかった」と言いたくはない。だからいつもカメラは持っているんです。

「出来事を写真に撮る」と考えていると、写真は表現に向かっていきません。イベントや流行のスポット、名所旧跡をただ撮るのは記録であって、表現とは違うからです。

写真表現の評価は、「その人が何をどう撮ったか」の個性にあります。マサイ族でも暴走族でも家族でもテーマは無限にありますが、他にもそれを撮っている人はいるでしょう。だから自分にしかできないやり方で撮ることが個性になります。

何も起きていない場所で、もしくは大勢がカメラを向けている場所で、「自分なら何が撮れるか」を考えていないと、写真はただのメモか記録になってしまいます。

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ワタナベアニ

写真家・ワタナベアニさん。年中無休、四六時中、カメラのシャッターを切り続けています。この連載ではそんなワタナベアニさんのライフワークともいえる、ポートレート写真を掲載していきます。レンズのむこう側で写真家は何を思っているのか、その様子...もっと読む

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コメント

shigekey "何も起きていない場所で、もしくは大勢がカメラを向けている場所で、「 1年以上前 replyretweetfavorite