原理が違う、首から上と首から下の運動

人間は首から上と首から下の、脳の割り付けが切れている。それは首から上の運動と首から上の運動の原理がまったく違うからである。首から下は身体を移動する運動、首から上は物を食べる運動、それに加えて表情やおしゃべり、つまり言語運動を司る。まったく違った原理で動く二つの運動を統一するもの、それこそ、日本古来からある教え「文部両道」なのである。『ヒトはなぜ、ゴキブリを嫌うのか?』から掲載第7弾!

 脳化社会、都市化ということでここまで説明してきたわけですが、しかしそれだけではどうしても解けない問題があることに気がついてまいりました。それは何かと言いますと、表現としての身体という最初からの問題です。

 自然の身体が禁止されるのは、都市化だから当然である。しかしずっと禁止だけかというと、例えば江戸という社会を考えてみますと、どうも違うということがわかります。その違う部分は何か。それが首から上と首から下の問題です。考えてみると、なぜ首から上と首から下が、脳の中の割り付けで切れているのか。チンパンジーは切れていますが、ネズミじゃ切れていません。

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ヒトはなぜ、ゴキブリを嫌うのか?

養老孟司

スマホやPCが必需品となった現代人は今、気づかないまま大きな落とし穴に突き進んでいる。どんな落とし穴なのか? そのサインは、突然、台所や部屋に現れるゴキブリを忌み嫌う心理の奥底を読み解くことで浮かび上がってくる。なぜ、あれほどに嫌うの...もっと読む

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megamurara この様な方がいると世の中が面白いと思えるようになります。 8ヶ月前 replyretweetfavorite