四角いだけのファイルと思うなかれ! 開けてビックリの違いがズラリ
上原玲子(以下、上原) 今回は長崎県に本店を持つ老舗文房具店の石丸文行堂の西田さんに、ファイルや収納文房具についてお話をおうかがいします。いきなりで恐縮ですが、私はファイルや収納文房具って、文房具屋さんの片隅にひっそりとあるイメージなのですが……。
西田隆治(以下、西田) 確かにそうかもしれませんね(笑)。壁に沿って本のように棚にさして販売されていることが多いからでしょうか。なので、私たちの店舗では新商品が出たときなどは、機能をわかりやすく伝えるために、ファイルなどはなるべく平台に乗せて開いた状態にして見せるようにしています。
上原 いま、ファイル用品、収納用品を買いに来られる方って、どんなものを求めてるんですか?
西田 一般の方から学生さんまで幅広くご来店いただくのですが、いかにコンパクトに効率よく収納できるか、そして取り出しやすいかの2点に注目して探していらっしゃる方が多いですね。
上原 学生さんにも需要があるんですね。私が学生のときにも先生から配られるプリントなどで机の隅が占領されていましたが、その当時はクリアファイルできちんと管理しようなんて思いもしませんでした……。
西田 そうですね。ただ、今回の『文房具屋さん大賞2019』のファイル賞1位に選ばれたキングジムのクリアーファイル「カキコ」は、ビジネスユーザー目線で企画された商品だと思います。ビジネスシーンでは、書類に書き込みながらの打ち合わせが多いですよね。「カキコ」は持ち運びしながら即書き込むことができるので、このスピーディさは仕事の効率化にもつながり購入動機にもなっています。
ありそうでなかったクリアーファイル「カキコ」。右(下)図のように袋状のポケットではなく、A3書類を見開きで挟むこともできるので、打ち合わせ中でもそのまま書き込めるスグレモノです!
上原 ファイルって見た目ではあまり違いを感じないんですけど、実は各メーカーがさまざまな工夫をされていて、使ってみると手放せないっていう商品が意外とあるんですよね。
西田 そうなんですよ。なかなかそのよさが伝わらないので、私たちのお店では手書きのPOPなどをつけたりしています。この『文房具屋さん大賞2019』で紹介されたり、テレビで特集されたりすると、一般の方にも優れた機能がよく伝わって私たちもとても販売しやすくなります。
上原 それは、本を作る側としてもうれしいですね。文房具編集者としては励みになります!
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