結婚してない女が、年取っていくとヤバい現象が起きる

結婚してない女に“世間”がなぜ結婚をすすめるのか? 本質的な答えがここにあります。

晶がフェリー船のデッキの上でユウカに尋ねた。

「なんでみんなが結婚をすすめてくるかわかる?」

「なんでよ?」

「女の一人暮らしで幸せになったなんて、例を知らなすぎるからよ。40になって50になって、まだ一人なんて女の人が近くにいたら気持ち悪いじゃない」

「それって偏見じゃない? 気持ち悪いなんてひどい。それに男だって同じじゃない」

「女は男よりも厄介よ。自分のお母さんがもし、結婚していなかったらどうなってると思う? 口うるさくて、文句ばっかり言ってて、そんな人がもしも一人で暮らしているなんてことを考えたら、周りにとって迷惑ったらありゃしないわよ」

ユウカは自分の母親を思い出した。 たしかに、母は口うるさくて、文句ばっかり言ってて、すぐに説教をする。
家族がいるからそれをぶつけられるのは私たちだけど、私たちがいなかったら近所の人にぶつけてるんだろうか。ゴミの曜日を間違えるだけで、怒りだすオバさんとかいるもんね……。

「じゃあ、家族は、お母さんのクレーム処理係ってこと?」

「まぁ、そういうところもあるわね。のほほんと暮らして年だけ食った女の厄介さって半端ないからね。女ってさ、利益の先取りってところあるじゃん。 断然、若い時の方が綺麗だし可愛いから、ちやほやされるし、お金も稼げる。社長の一人か二人をたらしこめばモルディブにだってタダでいけちゃう。でも、そんな楽しみも知らずに年を取って、気づいたら30過ぎ。

誕生日が来るたびに、もうあなたの旬は過ぎましたよー。今さらあがいたって手遅れですよ。って言われ続けているようなものなわけでしょう。
そりゃ文句のひとつやふたつ言いたくなるわよね。特に若い女相手に。

ユウカもそろそろ40でしょう?」

「失礼ね。まだ35!」

「四捨五入したら40じゃない。40過ぎたおばちゃんをモルディブに連れてってくれる人なんてさ、心から愛してくれる旦那くらいなもんで、いま、一人でいるんだとしたら、男ならパソコンのモニター相手に独り言を書き続けるくらいで害はないだろうけど、女の場合は、スーパーのレジ係につり銭間違いで2時間説教とかすんじゃない?

その時に、たぶん思うの。自分の人生にはもうモルディブに連れてってくれるような人があらわれることは一生ないって。 怒ってるうちにまた燃え上がって説教2時間プラス!」

「スーパーのレジ係が可哀そうじゃない」

「自分よりも少しでも若かったら、若い芽を直接手で摘みにくるからね。というわけで、スーパーのレジは自動化するし、適齢期の女には結婚をすすめるっていうわけなの」

「じゃあさ、晶ちゃんは世間でいう適齢期がきたら結婚するつもりなの?」

「なんでも前倒しに進めるって言ったでしょ。24! 24!」

「なんで? 24なんて若すぎるんじゃない?」

「一番、市場価格が高い時に売り抜けるのが相場の鉄則でしょ。それ以降に、結婚市場に残っても意味ないじゃない。売れ残り同士で仲良くやってくれって感じ」

「ふーん、晶ちゃんって意外に考え方が古風なんだね。ふふふ」

「なんで?」

「だって、ここに35歳すぎて独り身だけど、幸せに暮らしてる女がいるじゃない。生きた見本として。ほら」

「え、どこにおるん?」

ユウカは自分の体をクネクネさせながら、晶の前でアピールするも、晶は目を細めたり、遠くを見たりするフリをして、ユウカの自己アピールには気づいていない。

「もう! どうあっても私のこと、幸せな女とは認めないつもりなのね!」

「幸せって人にアピールしたら、終わりや!」

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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