春は別れと出会いの季節。仕事仲間の送別会の幹事を仰せつかったものの、どうすべきか。懐寂しい中年同士、財布の紐は締めておきたいが、貧乏くさい宴会では遠い異国の地に「島流し」になる同輩に恨まれる。思い悩んでいると、夜遊びガイドのO氏から電話が……。
「それなら、ゆっくりとご飯を食べながら、美人ちゃんのショーが観られる店がありますよ!」
さっそく下見に、氏と向かったのは六本木。最近、ショーパブ激戦地として知られており、少々下り坂にあると言われる、インバウンド需要のなかで、まったく衰えを知らない街だ。
炊きたてご飯を肴に美女の踊りを愛でる
六本木通り沿い。すぐ隣にド派手な商いで知られる、某有名寿司店の看板を眺めつつ、エレベーターに乗って降りると、負けず劣らずド派手な店が。遊郭をイメージしたという内観は、赤を中心に紫、金色とド派手。天井から吊り下げられた色とりどりの傘や、金色銀色に光るソファ。オリジナリティ溢れる壁のデザインは、外国人ならずとも楽しめるだろう。
「いらっしゃいませ~」。席につくやいなや、胸元がぐっと開いた衣装を身にまとった舞凛ちゃんからシステム等の説明を受ける。