気になるあの店員さん【スズキナオ】

行きつけのお店。いつもいる店員さん。でもその店員さん実は●●かもしれません。「のんのん」第8回はそんな不思議な居酒屋の店員さんについてスズキナオさんが書いてくれています。
なんだか気ぜわしい僕たちの毎日には、楽しくて、ちょっとホッとできる「お酒」が必要だ! 本連載はそんなお酒をこよなく愛するあまり、「酒の穴」というユニットを結成してしまったパリッコさんとスズキナオさんが、酒にまつわるアレコレをゆるーく、ぬるーく書いていくリレーエッセイです。過去の連載へはこちらから。

ちょっとハードめな魅力を持つ居酒屋

東京の渋谷にある会社に勤めていた一時期、「細雪」という大衆酒場によく行った。今はもう無くなってしまった店で、先日その跡地を訪ねてみたらカルビ丼を専門に出すチェーン店になっていた。この店については、そこで過ごした時間が長いために色々と思い出が多く、そのどれもが自分にとってかけがえのない宝物になっている。宝物というのは大げさだった。河原で拾った変わった色の石ころみたいな。

井の頭線の乗降口のすぐ脇にあるのになんだか目にとまりにくい。散らかった厨房から出てくる刺し身が怖いけど意外にも旨い。トイレがジメジメして洞窟のようである。ウーロンハイなどの割りものメニューのアルコール分量がとんでもない。とか、まあそういう、ちょっとハードめな魅力を持つ居酒屋だったのだが、店員さんもまた個性的で面白かった。

料理をしながら酒を飲んで徐々に酔っていき、いつも閉店時間が近づくとベロベロになっている店長。そんな店長に一切構わず、体幹のしっかりした動きで飄々と酔客をあしらっていく店長のお姉さん。それともう一人、背が高くて声がデカくてたまに全然何言ってるのかわからない初老の男性店員。私が店によくいた19時~23時の時間帯はその三人の店員さんを目にすることが多かった。

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パリッコ、スズキナオののんだ? のんだ!

スズキナオ /パリッコ

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