写真で話そう

オリジナリティは難しいものじゃない

今回はいつもと少し趣向を変えて、ポートレートに限らない被写体の見方についてのお話です。オリジナリティに悩む方は多いと思いますが、これを読めば少し視点が変わるかもしれません。

ワタナベアニです。しばらく連載を続けてきましたが、写真をポートレートだけに絞ると、「あ、これ前にも書いたか」という失敗をしてしまうんじゃないかと思ったので、間口を広げてみます。

写真は自分の眼の代わりです。同じ場所で撮った写真を見せ合うと、互いに見たモノが違っていることに気づきます。俺は、「私はその時、これを見つめていた」というのが写真の定義だと思っているので、そこには正解も間違いもないのです。

散歩に行って、川を見る。ジョギングしている人を見る。花を見る。犬を見る。あなたはその中のどれにカメラを向けるでしょうか。

私は花を撮りました。私は犬を撮りました。

それでいいんです。相手の写真を見て初めて、「こんなに綺麗な花が咲いていたのか。私は見逃していた」と感じ、一方は、「可愛い犬がいたのに私は気づかなかったなあ」となるかもしれません。その視線の発見と表現が写真の楽しさです。ですから、これを撮るとインスタ映えすると聞いた、などと言って撮る行動がいかにつまらないかがわかると思います。

今週は元号が発表され、いつものようにたくさんの人のポートレートを撮り、生けられた花を見ました。俺とまったく同じモノを見た人は一人もいません。オリジナリティとは難しい話ではなく、たったそれだけのことなんです。

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ワタナベアニ

写真家・ワタナベアニさん。年中無休、四六時中、カメラのシャッターを切り続けています。この連載ではそんなワタナベアニさんのライフワークともいえる、ポートレート写真を掲載していきます。レンズのむこう側で写真家は何を思っているのか、その様子...もっと読む

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コメント

miyamototakuya 「その視線の発見と表現が写真の楽しさ」ほんっっっっっっっとにその通り! 7ヶ月前 replyretweetfavorite