坂上忍の話法について

俳優の坂上忍、最近は俳優よりも毒舌キャラを売りにするバラエティタレントの顔の方が目立ちます。最近は司会をつとめる昼の帯番組『バイキング』での発言が取り沙汰されることが多いですが、その毒舌の構造について武田砂鉄さんが分析します。

「気にしないオレ」を周囲に認めてもらう

たとえば、坂上忍が3年前に出した『坂上忍の女の人生めった斬り!! 激辛お悩み相談室』という本の中で、会社の中でお局様になりたくないと悩む32歳・会社員の相談に「周りの男から『1回お願いしたいな』って思われるくらいじゃないと」と回答していたことを指摘して、ホント、この人、どうかと思いませんか、と煽ることもできるのだが、そういう煽りを受け入れて、それでも自分は自由に言うからなと、むしろ、そのスタンスを定着させる結果になりそうな気がする。荒くれた自分でありたいという意識を皆に周知させるために、スタジオに集っている人に、俺って荒くれているよねと確かめる。その様子、何度見ても違和感を覚える。だって、「周りのことを気にしないオレ」を、周囲からの承認で更新しているからだ。

このところ、毎日のように『バイキング』を見ている。スタジオの真ん中に坂上忍がいて、右側のひな壇に芸能人が、左側に弁護士や芸能レポーターなどが並んでいる。ある議題について、Aという意見とBという意見をぶつけて、もしかしたらCという可能性もあるかも、いやでも、Bでしょうかね、などと柔軟な議論が繰り広げられることは少ない。

おおむねこんな感じだ。坂上がまず、「俺はAだと思うんだけど、〇〇(右側の後列にいるお笑い芸人や若い女性タレント)はどう思う?」と聞き、その〇〇から、「そうですね、Aだとは思うんですが……Bという要素もあるのかもしれない」という意見を引き出す。「えー、どーしてBなんて思うかなぁ」と首を傾げながら、他の人からAの意見を抽出して補強し、明らかにAが優勢の状態で、左側にいる人たちにどう思うかを尋ねる。

彼がAと言った時点で帰結はAと決まっている
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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

stwtcpld 坂上忍に感じる違和感がぜんぶ書いてある。 "「周りのことを気にしないオレ」を、周囲からの承認で更新している" 5ヶ月前 replyretweetfavorite

ryookabayashi なるほどね。つか、面白くなくなったのはその手法が確立されてしまったからか。最初から結論が決まった炎上、むしろネットっぽいね。なうも見なくなった。昼間なんかいいんでシンソウ坂上に専念してほしい。> 5ヶ月前 replyretweetfavorite

okadappa この話法、自分も仕事で少なからず使ってるなぁ… 5ヶ月前 replyretweetfavorite

Masaaki_Sakurai 総じて坂上忍は信用出来ないクソ野郎だと思う。 5ヶ月前 replyretweetfavorite