大人になってから傷を癒やすより、子ども時代に問題を防ぐほうが簡単

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCの子を育てる親向けに、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本』をcakesで特別連載!(毎週木曜更新)

5人に1人は敏感すぎ気質

 HSPやHSCは、病気でも障がいでもなく、その人が生まれ持った気質のひとつです。人種・民族に関係なく、どの社会にも15~20パーセントぐらいの比率でいるとアーロン博士は言っています。  
 仮にひとクラス30人いたら、クラス内に5、6人はHSCがいるということです。意外と多いのです。
 しかし、社会はその他8割の大多数の人たち向きになっていますから、敏感すぎる人にとっては適応するのが難しい、しんどいことがいろいろあります。5人に1人もの比率でいるわりには、社会の敏感さへの理解はあまり進んでいません。
 お母さん自身もHSPであれば、子どもの様子に「あっ、この子も敏感なタイプかも」と気づきやすいのですが、お母さんが非HSPの場合、子どもがなぜそういう反応をするのか理解できません。それで、「ちょっと育てにくいところのある子」「難しい子」「わがままな子」に見えてしまったりするところもあります。
 ところが、HSCの多くは周囲の人のそういう感情までも敏感に汲み取ってしまうので、「自分はママの期待に沿えていない」と感じることが子どもをますますつらくさせてしまったりします。
 たとえば、誰からも「とてもいい子ですね」と言われるような子が、自分の感情を押し込めているうちに心と体のバランスを崩してしまい、体調不良を起こし、不登校になり、さらには自分が自分でなくなってしまう意識の解離症状を起こすようになってしまったケースを、私はたくさん見てきました。
 敏感すぎ気質を負の要素として抱え込まないようにするには、生育環境への配慮がとても大切です。
 子どものときから、敏感さに対して望ましい対応ができていたら、それほどマイナス感情にはなっていきません。人一倍敏感な気質は生まれつきのものですが、それが長所として育(はぐく)まれていくか短所になってしまうかは、生育過程によって左右されるのです。
 アーロン博士も言っています。「大人になってから過去の傷を癒やそうとするよりも、子ども時代に問題を防ぐほうがはるかに簡単です」と。
 周囲の大人が早く気づいてやり、その気質を「その子らしさ」として受けとめてあげることが必要なのです。

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子どもの敏感さに困ったら

長沼 睦雄

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCを育てる親に向けて、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本...もっと読む

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yunoyuno55 HSC(敏感気質)の子を育てる親向けに、その特徴や傾向を解説! https://t.co/gSAQllj1wq #スマートニュース 7ヶ月前 replyretweetfavorite