なぜ敏感さが生きづらさにつながるのか

「敏感気質(HSP/HSC)」の第一人者・長沼睦雄先生が10代(と、そして大人)に贈る、心の疲れをラクにする方法。朝起きると「また一日が始まる」と、どんよりした気分になっていませんか? 人間関係、勉強、家族、容姿…ストレス社会で生き延びる技術を紹介します。『10代のための疲れた心がラクになる本』をcakesで特別連載!(毎週火曜・金曜更新)

なぜ敏感さが生きづらさにつながるのか

 さて、HSPという気質について理解を深めてもらったところで、本題に入ります。「なぜ敏感さが生きづらさにつながるのか」という問題です。
 第2章で語った、脳の回路の話と関係します。

 刺激に対して過敏に反応しつづけている状態は、不安の回路、恐怖の回路の働きがとても活発になりやすいのです。
 ようするに、警戒シグナルがずっと鳴らされつづけるようなものです。不安や恐怖を強く感じ、行動を抑制しようとする回路が活発になります。「危なそうだからやめておこう」「怖いから近づくな」という信号がずっと出ている状態がつづくと、行動が抑制されるだけでなく、思考もネガティブになります。
 つまり、不安の回路が過剰に反応しつづけると、人はマイナス感情に支配されやすくなるのです。
「どうせダメに決まっている」
 「ほら、やっぱりうまくいかない」
 「やるだけムダ」
 負のループにはまりやすくなります。
 「わたしなんかにはムリ」
 「ぼくにはできっこない」
 マイナス思考が強くなると、行動する前からあきらめてしまい、自信を失い、自己評価が低くなります。そして、自分を責める気持ちが強くなります。

 これが長い間、慢性的にくり返されていると、ストレスホルモンが過多の状態になって交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、自律神経に影響し、免疫にも異常をきたします。
 20歳過ぎても自律神経失調症の症状が消えない、むしろ強くなっていくというような場合、思春期の敏感さ以外のことが考えられるのです。
 誤解しないでほしいのは、HSPの人はみんなそうなると言っているわけではないということです。普通の人だって、過剰なストレスにさらされた状態が長くつづくと、そうなります。
 ただ、もともと敏感な気質をもっている人は、感じやすく、周囲の影響を受けやすく、傷つきやすい。その分、ストレスもたまりやすい。だから、用心しないと、普通の人以上にストレス由来の疾患になりやすい、ということなのです。

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長沼 睦雄

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