マーケットは意識しない。自分たちがいいと思うものを人に問う店

長野県東御市で急成長を続け、注目を集める「パンと日用品の店 わざわざ」。この春オープンする新店舗は、喫茶店であり、本屋であり、ギャラリー。そこでは、マーケットを意識するのでなく、ひたすら「わたし達はこれが好きで、これに価値を見出していますが、あなたはどうですか?」と問いたい、とオーナーの平田はる香さんは語ります。

先週、お伝えした「わざわざ」が作る2店舗目「問tou」はどんな店なのか、詳しくお伝えしていきたいと思います!


塗装工事が始まり、一気に雰囲気が変わってきた店内

コーヒー

パンと日用品の店「わざわざ」に以前はあって、今はないもの。その一つは喫茶。わざわざ遠くまで来てくださったお客様に、お茶でも出したいなぁと始めた喫茶だった。いつしか喫茶では、パンやスープ、ランチからスイーツまで提供することになった。

しかし、人気が出すぎてウエイティングが多くなり、駐車場に車が入りきらず、渋滞ができてしまうことが多くなって辞めた。それが3年前の話だ。今でも喫茶の復活を望む声をお客様からいただくことが多く、ずっと復活させたいと思っていた。

「問tou」の話が出た時にまず喫茶はやろうと思った。だけど、今までやってきた喫茶ではなく、新しいものをやりたいと思った。それで、新潟県燕三条市にあるツバメコーヒーを呼ぶということになった。

ツバメコーヒーの田中さんとは、2014年にトークイベントに呼んでもらったことがきっかけで、ずっと仲良くさせて頂いている。わたしはツバメコーヒーが大好きだ。ちょっと懐かしいメニュー構成、こだわりがないと言い続ける田中さんの淹れるコーヒー。ツバメコーヒーが近くにあったら毎日行くのにって、ずっと思っていたのだった。

田中さんに、新しい店へツバメコーヒーをインしたいと相談すると、すぐにオーケーをいただくことができた。嬉しかった。一緒に仕事ができる! オペレーションをこちらでやって、メニューは二人で考えて少しカスタムする。できる範囲で始めて、段々とツバメコーヒーのような、喫茶とカフェの中間のような雰囲気にできたらいいなと思っている。個人的にカフェより喫茶店が好きで、わたし達らしい新しい形の喫茶店を目指したいと思う。



大型の什器の搬入も始まった。

ツバメコーヒーには沢山の本が置いてある。田中さんが読書家なのはもちろんのこと、お客様にも本棚を解放しているので、閲覧しながらコーヒーを飲む人もいる。あの本棚で田中さんの哲学を感じることもできるわけで、コーヒーには本だなと思っていた。それにわたしも本がとても好きだ。できることならば、本屋もやってみたいと思っていたし、いい機会に違いない。

すぐにお隣上田市の バリューブックスさんに声をかけた。バリューブックスはAmazonで古本の在庫1位を誇る会社である。以前から付き合いがあって、いつか一緒に仕事をしたいなと思っていた。バリューブックスの古本への価値観が好きで、やるなら古本と考えていて、すぐに相談をした。

バリューブックスさんもこの取り組みへの参加を二つ返事でオーケーしてくれ、バリューブックスの生江さんとツバメコーヒーの田中さんとわざわざの平田の3人で、2000冊の選書を行い、「偏愛」をテーマに好きな本だけを置く本屋をやることに決まったのだった。

メッセンジャー上でミーティングを重ね、さらに会ってミーティングを重ね、お互いの意図を擦り合わせながら、偏った愛を思う存分表現する店にしようとコンセプトが固まっていった。今の時代だからこそ、マーケットを意識して人に合わせてやるのではなく、「わたし達はこれが好きだ」と山の上からひたすら叫ぶ店をやろう。そう、「問tou」はわざわざの反対側の山の上にある。山の上2拠点の店舗になるのだ。


ギャラリー


雰囲気を出したい工事はDIYする。

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わざわざ平田の思索日記

平田はる香

長野県東御市にある「パンと日用品の店 わざわざ」。山の上の長閑なこの場所に、平田はる香さんは2009年にひとりでお店を開きました。平田さんがnoteで公開した記事「山の上のパン屋に人が集まるわけ」が大いに反響を呼び、独自の経営スタイル...もっと読む

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paseri_mom 山の上から、偏愛を叫ぶ。 9ヶ月前 replyretweetfavorite