見知らぬ男から「ママになってくれませんか?」と言われて

小説家の森美樹さんが自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する日々を綴るこの連載。今回は若い世代への苦手意識について。親子ほど年が離れると、時に相手が異星人のように思えることがあります。異なる世代が歩み寄るための、「ママ活」の新たな姿とは?

40歳くらいまでは若い男が大好きだったけれど

私は若い男の人が苦手だ。もうエイリアンにしか見えない。エイリアンとしてみなせば、可愛いものなのだろうか。

私も40歳くらいまでは、若い男の人が大好きだった。付き合うとか交流を持つとかは勿論、被写体として眺めるのも楽しかった。素直に「かっこいいな」「美しいな」と心酔していたのだ。それがどうだろう、40代も後半になって50歳の足音が聞こえてきてからこっち、10代~20代前半の男の人が苦手になった。

単純には「かっこいいな」「美しいな」とは思う。でもどうしたって目をそらしてしまう。だって毛穴がないんだもん、顔が小さすぎるんだもん、手足や首が長すぎるんだもん。同じ人間とは思えない。やはりエイリアンなのだ、きっと。

いやいや冗談はさておき、なぜ苦手になったのかを検証してみた。参考にしたのは、私が子供の頃の両親や大人達の証言だ。

「最近の若い子はみんな同じに見える」だの「最近の芸能人は区別がつかない」だの、口々に言っていたのを思い出した。当時は私も若かったので「全然違うじゃん! 超区別つくじゃん!」と抗議したものだ。「老眼なんじゃないの?」などと暴言まで吐いた気がする。ところがどっこい、コンタクトレンズを装着した私の目は老眼ではないし、まだ記憶力もおとろえていない。しかし当時の両親や大人達のように、私にも今の若い人(特に男の人)が皆同じに見えて、しかも「苦手」グループに集約されてしまっている。

ジャニーズだって嵐以降はシャッフルされてしまえばグループ名などわからない(EXILE関連も然り)。いっそ「NI・GA・TE」とかなんとか、一括りにしてはどうかと思う。伊野尾慧君はちょっと可愛いしちょっと好きなのだけど、それは童顔とはいえ20代後半だし(うっすら毛穴が見えはじめたし)、めざましテレビに出演しているからで、おじさまキャスターに揉まれているから苦手オーラが霞んでいるにすぎない。

いらんこと考えてビクビクしてしまう

時々仕事をしに行くカフェやファミレスでウエイターが若い男の人だったりすると、私はたちまち萎縮する。「オーダーはさっさと決めなきゃ叱られる」「ドリンクバーしか頼まないなんてケチだと思われる」等々、いらんこと考えてビクビクするのだ。これはなぜなのか。

私と若い男の人は、親子ほども年が離れている。私には子供がいないし、姉にも子供がいない。つまり若い部類の親戚縁者がいないという環境だ。幼年→少年→青年、という男の人の成長期を肌で感じていないのだ。

おまけに昨今の私は自宅で仕事をしている。新入社員やバイトといった、若い男女が入社してくる職場はとんとご無沙汰なのだ。若い男の人とリアルに接する機会が激減した。二次元オンリー。二次元といっても、前述したとおり最近の若い男の人には毛穴がないし、遠近感覚が狂うほど顔が小さいし、手足も妙に長いので、同じ人間とは思えない。生々しさがないから、戸惑ってしまう。

そうだ、人間として同種族に見えないから、条件反射で怯えてしまうのだ。人は誰しも、新種の生物には警戒する。さらに言えば、私には新種の高等生物に対する免疫もないのだからなおのことだ。

見知らぬ男子からの「ママになってください」

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アラフィフ作家の迷走性活

森美樹

小説家の森美樹さんは、取材や趣味の場で、性のプロフェッショナルや性への探究心が強い方からさまざまな話を聞くのだそう。森さん自身も20代の頃から性的な縁に事欠かない人生でした。47歳の今、自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する...もっと読む

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asyara28 「パパ活」は聞き覚えが有るが、なんと今は「ママ活」まで有るとは知りませんでした。筆者の若者の区別がつきにく成のは、自然なことだと思います。以前読んだ論文に関する記事では、自分達の年齢から離れた人達への顔... #NewsPicks https://t.co/HqLOgnvUr9 約1ヶ月前 replyretweetfavorite