「結婚の時期や、理想の男性像についてどのようにお考えでしょうか」
「結婚する予定があるかどうかを聞くのはセクハラです」と、これだけ言い尽くされているのに、大学卒業に合わせて宮内記者会からの質問に回答した佳子さまとのやり取りを読めば、「結婚の時期や、理想の男性像についてどのようにお考えでしょうか。お相手はいらっしゃいますか」との質問が確認できる。記者会見場で咄嗟に出た質問ではなく、あらかじめ文書で投げた質問にこれが含まれていた。
「結婚の時期」と「理想の男性像」が並列されているのって、実は奇妙なことだ。別に結婚なんて、してもしなくてもいいのだし、仮に結婚を望んでいるとして、前提や次のステップに「他人にひけらかす男性像」を用意する必要なんてない。本人の答えが「相手がいるかについてですが、このような事柄に関する質問は、今後も含めお答えするつもりはございません」だったのには安堵する。言葉遣いが限られる世界の人からの相当キツい牽制に思えるが、これからも果敢に聞き続けるのだろうか。宮内記者会では、限られた質問の一つを「お相手はいらっしゃいますか」に決めた時、「いやいや、これ、ヤバくない?」と誰かしら思わなかったのだろうか。
「ヒドい質問」と「記事になる質問」
このところ、記者からの質問のレベルが批判されることが増えてきた。壇上にいる相手が大きな存在であればあるほど、質問の稚拙さが糾弾されやすい。記者会見ではなくても、来日したハリウッド俳優にその情報番組で恒例となっているポーズをさせたり、キャラクターのぬいぐるみを渡して感想を尋ねたりする慣習が反感を買うようになった。先週、初めて記者会見なるものに聞かれる側として出席した。この4月からTBSラジオで『ACTION』という番組の金曜日パーソナリティをやらせてもらうことになったからなのだが、会場にやってきた記者のなかには、月曜日担当の宮藤官九郎から『いだてん』に出演してきたピエール瀧についてのなにがしかを引き出そうとする人がいた。
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