春が本番! あなたのすぐそばにもある美味しい高級キノコ

東京では桜も開花し、いよいよ春到来の感があります。春は、美味しい野生の食材がたくさん採れる季節。今日ご紹介するのは、春に桜やイチョウの木の下などに生え、フランス料理などにも使われる高級キノコ。日本食におけるマツタケとシイタケの役割をあわせ持つという、このキノコを野食ハンターの茸本朗さんがご紹介します。


見た目はアレだけどお役立ち食材なんです

いよいよサクラも開花し、本格的な春が訪れようとしています。

言うまでもなく春はあまたの生き物たちにとって待望の季節であり、当然われわれ野食家にとっても待望の季節。
山菜、野草、魚介類……様々な食材たちがフィールドでぼくらを待っています。

ぼくも毎日「今日は何採ろう、明日は何捕ろう」なんて考えながら多摩川沿いをあっち行ったりこっち行ったり、うろうろうろうろしています。
先日もまた職質に遭いました。この国は平日昼間にうろうろしている男性にはとりわけ厳しいな…

さて、春のもっともありがたいところは、街中で採れる食材の量がどんと増えるということです。当然、オススメしたい食材も山ほどあるのですが、今回はその中でも、身近で採れて役に立つ、とある「高級食材」についてご紹介したいと思います。


“最も身近な”高級食材・アミガサタケ


とてもそうは見えないけど、大変いいキノコなのです

我が国では、だいたいどこに住んでいても近くにイチョウの木、あるいはサクラの木があるのではないかと思います。街路樹であったり、庭木であったり。
3月から4月にかけて、街中にあるそれらの木の下に、野食家の人々が心を踊らせるものが発生します。

それはアミガサタケ
いわゆるキノコのひとつなのですが、シイタケやシメジといった「いわゆるキノコ」が担子菌類というグループなのに対し、このアミガサタケは子のう菌類というグループに含まれ、互いにかなり遠い存在です。
しかもアミガサタケは「いわゆるキノコ」のイメージとは異なり、に発生します。

加えてこのウルトラ怪人みたいな見た目、さらに匂いもちょっと独特なこともあって、日本ではキノコ狩りの対象となることはあまりありませんでした。


チブル星人VSバルタン星人

しかし、実はこのアミガサタケ、フランスをはじめとしたヨーロッパ各国、さらにアメリカ等においては超のつく高級キノコ。
やらしい話、乾燥品ひとパックで10,000円以上するのはざらです。値段聞いたら採りたくなってきたでしょ? (「採りまくって売ったら大金持ちだ」とかおバカなこと考えちゃダメよ)

アミガサタケには動物の肉のような香りと、バターや乳脂肪分との相性が極めて良いという特徴があり、西洋の料理においては欠かせない存在です。なので珍重され、キノコ狩りの対象としても愛されています。
日本食におけるマツタケとシイタケの役割をあわせ持っていると考えていただければ、どれくらい大事な存在か分かりやすいかも……

最近、日本でマツタケの発生量が激減し、マツタケを珍重しないカナダやアメリカから輸入する例が増えています。
かつては日本の外交官が北朝鮮から賄賂として特産のマツタケを持たされるなんてこともありましたね。
もし西欧の人が、日本にもアミガサタケがたくさん生えること、しかも珍重されるどころか無視されていることを知ったら「輸出してくれ!」と懇願してくるかもしれません。
海外の要人と交渉するときに「ホンの気持ちです」とかいって干したアミガサタケ握らせたらいろいろうまく行くかも……?


高級な上に安全なキノコ
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野食ハンターの七転八倒日記

茸本朗

「野食」とは、野外で採取してきた食材を普段の食卓に活用する活動のこと。 野食ハンターの茸本朗さんは、おいしい食材を求めて日々東奔西走。時にはウツボに噛まれ、時には毒きのこに中毒し、、、 それでも「おいしいものが食べたい!」という強い思...もっと読む

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コメント

izaken77 アミガサタケ、めっちゃ採りに行きたくなった。 特に乾燥させて出汁とるの、やってみたい。 8ヶ月前 replyretweetfavorite