アングルからツリーを伸ばしてみる
アングルから、ツリーを伸ばす。それが発想。
実際にやってみましょう。
「4月」をサンプルに作った、アングル10個。「春」「暖かい」「ファッション」「行楽」「フレッシュマン」「年度始め」「異動や転勤」「出会い」「花見」「花粉症」
そこから「ツリー」を伸ばしてみる。
「ツリーを伸ばす」とは「脳内経験」。 「アングル」をきっかけに「そこからさらに考えて」みるということ。
「4月」→「(アングル)春」→「ツリー」
   つまり「春」から「さらに考える」とどうなるか。
「穏やか」「やさしい感じ」 「春のパスタって?」 「春風のいたずら」 「浮かれる」 「ゆるむ」 「明るい」 「日差しがうれしい」 「冬の後だから余計に」 「いつからいつまでが春」 「5月は春じゃない」
「4月」→「(アングル)年度始め」→「ツリー」
「会社員の新学年である」 「ある意味年始」 「2度目のチャンス?」 「フレッシュマ ンとリフレッシュマン」 「転勤や転部の人がいるかも」 「変化の月」 「人事異動や組 織替え」
「アングル」は妥当性を探る意味もあるので、むしろ普通の言葉(春、年度始め)を置くのが適切だが、「ツリー」では「そこからさらに考えて」ジャンプを試みる。
単語でもいい。文章でもいい。思いついたままに、自由度高く。
ただテーマ(この場合は4月)から飛躍しすぎないように。 (テーマ)「4月」→(アングル)「年度始め」が→(ツリー)「今期のノルマ」だと、 すでに4月と関係性が切れている。
このようにして各々の「アングル」から同じ要領で「ツリー」を伸ばし、「4月」 の「アングル」×「ツリー」の全体図を広げてみた(ここでは紹介できないので、単行本をご参照ください。100個あります)。
しかしこの壮大な「ツリー」は、その先端に答えが書いてあるわけではない。つまりまだゴールではない。ここもまだ「発想を言葉にして伝える」ための準備段階である。
その全体像を俯瞰して、そしてそこに書かれているあらゆる言葉を眺め、読みなが ら、それをきっかけに想像力を駆使し思い浮かんだことを書き出してみる。そこまで 来ると「発想」のゴールも近い。
脳の白紙のノートに書き出す
「アングル」と「ツリー」の全体図を俯瞰しながら、脳に浮かんだものを言葉や文章を白紙のノートに書き込むイメージで以下に書いてみた。
  4月を春だと言っても日本は縦に長い。南の方では日差しが暖かくても北のほうでは まだまだ寒い。北海道の人は東京の春を知らせる報道をどんな気持ちで見ているのだ ろう? 4月のドカ雪で交通マヒ、なんてニュースについても聞いてみたい。どこの何 が基準に春で一体いつからいつまでが春なんだろう?それにしても4月いっぱいで春 がスパッと終わる感じがするのはなぜだろう。5月は断じてもう春じゃない。1日違 いで春じゃないとは!それにしても暖かくなると、街にも新幹線にも人が増える。4 月は需要と供給のバランスからホテルも高い。お金がかかって逆に旅しにくい月なの にどうしてみんなそんな4月に? 人気にあぐらをかく4月。………………
このあといくらでも続くのだが、きりがないのでこの辺で。 これが、脳の白紙のノートに文字を書き込むということである。 もうこのノート、真っ黒でしょ? 次に「真っ黒になったノート」をあらためて見てみる。 ディテールを拾ったり、言葉(概念)同士をつなげてみたり、さらにそこから想像 力を働かせてみたりして、妥当性が高く、ユニークなアイディアを探る。
この「4月」での「アングル」×「ツリー」は説明用の練習なので、特に結論は用 意していないが、よく見てみるといくつかのアイディアのようなものが発見できる。
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