大久保利通は歌で松林を救った!?

歴史を動かすその瞬間、彼らはどんな歌を詠んだのか。歌を通して、偉人たちの素顔を明らかにする新感覚短歌論『日本史を動かした歌』(田中章義・著)。本書の刊行を記念して、よりすぐりの人物たちのよりすぐりの歌を、特別公開します。第2回は、維新の三傑、大久保利通が登場。

音にきく高師の浜のはま松も世のあだ波はのがれざりけり

「政をとりおこなう者は民への噓偽りに溺れず、私腹を肥やさず、心も態度も清らかで明瞭でなければならない」という意味の「為政清明」。「どんなに困難や苦労があっても耐え忍び、心を動かさずに志を貫き通す」ことを意味する「堅忍不抜」。この二つは大久保利通の座右の銘だった。

西郷隆盛、木戸孝允とともに「維新の三傑」と呼ばれた利通。予算がつかなかった公共事業を遂行するために自ら私財を投じたこともある。個人の財産を抵当に入れ、国の借金を減らそうともした。

「西郷の敵」として、郷里では人気がないと言われがちな利通。けれども西郷の訃報に接した際、利通は号泣しながら、「おはんの死とともに新しか日本が生まれる。強か日本が……」 と語っていた。「自分ほど西郷隆盛を知っている男はいない」とも言い得る男だった。

利通のおかげで生き残った松林

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偉人の本音は歌にあり! 日本史の裏側がわかる、英傑百人一首物語。

日本史を動かした歌

田中 章義
毎日新聞出版
2019-03-23

この連載について

初回を読む
日本史を動かした歌

田中章義

独眼竜政宗は歌の天才? 高杉晋作は隠れ西行ファン?  夏目漱石がこの世にたった8首残した歌とは? 歴史を動かすその瞬間、彼らはどんな歌を詠んだのか。 歌を通して、偉人たちの素顔を明らかにする新感覚短歌論『日本史を動かした歌』(田中...もっと読む

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niina_noriko 浜寺公園ってそういう背景があったのか! #覚え書き 9ヶ月前 replyretweetfavorite