第2回】最後に笑ったもんが勝ち

「百ます計算」の生みの親として知られ、その教育理論が絶大な支持をうける陰山英男先生が、リアルな大人の悩みに真剣に答えてくれる『教えて、陰山先生!』。相談者のお仕事の悩みに、真摯に答えてくださいました。きっと多くの人にとって、身に覚えのある相談じゃないでしょうか? さあ陰山先生の言葉に耳を傾けてみましょう。

権限がないからやりたいことができない

Q.広告会社で働いています。発想力には自信があるし、色々な宣伝のアイデアを提案するんですが、うちの会社じゃ若手は権限がないからなかなか実現できないんです。やる気はあるのに空回りしている感じがします。どうしたらいいんでしょうか。

A.そりゃもう、あの手この手を考えるんだな。僕だって、いまだに権限がない状況で、いろいろ画策しながら仕事しているんだからさ。権限がないところでどうやってやるか、これは何も若手に限った悩みじゃないからね。

じゃ、権限がないときはどうやってやるか。それはね、根回しをするんだよ。根回しって、言葉だけだとネガティブなイメージがあるかも知れないけど、それは違う。じゃあどうやってやるのかというと、自分の意見にいちばん反対するであろう人を、先に説得するわけ。これが僕の考える根回し。

君は人に意見を通そうとするとき、すぐ自分の意見を支持してくれる人を探してないか? それじゃダメだ。意識すべきはその逆で、まずいちばんの敵を口説かなきゃ。反対者っていうのはつまりこの場合、キーパーソンだから。あの人はなぜ僕に反対するのか、どんな風に反対するのか、何をどうすれば納得してくれるか、どうすれば信用してくれるか、それを詳しく分析するんだ。そのためにはまず、いちばんの反対者のところに直接行って「私のこの意見、どう思われますか?」と聞いてみればいい。当然相手は「んなもんダメだ、もってのほかだ」と言うに決まっているから、そしたらそこで「すみません、そのダメな理由を全部教えてください」って聞くんだよ。

そしてそのときに大事なのが、反対者の意見を心から素直に聞くということ。ちょっとでも斜に構えたり、相手の揚げ足を取ろうとか、バカなこと言っているなんて考えたりしたら絶対にダメ。そんな聞き方じゃまったく意味がない。相手が反対する理由を真っ直ぐに受け止めることこそ、戦略を学ぶ絶好のチャンスなんだから。で、その意見を聞いたら全部取り込んで、この人達をどう説得するかという戦略をあらためて立てる。相手の反対理由や考え方を全部聞いた上だからこそ、どうプレゼンするか、戦略はおのずと見えてくる

自分ともっとも考え方の違う人は、同時に自分の弱点をもっとも見ている人だ。自分にとって最大のアドバイザーなんだよ。その人を説得するという根回しをした上で、権限のなさを打破する戦略を立てるんだ。勇気を出して、さあがんばれ!

「変えたくない」という上司を説得したい

Q.昔からある古い企業に勤めています。とても保守的な会社で、「現状維持」し続けることが評価になるような職場です。特に僕の上司は、新しい案を出すといつも「今までどおりでいい」「変えなくていい」と言って相手にしてくれません。今の時代、現状維持ばかりを大切にしていると、後で取り返しがつかなくなるんじゃないかと不安になります。どうやって上司を説得すれば考えを変えてもらえるんでしょうか

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教えて、陰山先生!

陰山英男

「百ます計算」や「徹底反復」シリーズで知られる、教育者の陰山英男先生。その根底にある思想は、子供だけでなく大人にも応用可能なものばかり。社会という荒波でもがき続ける人たちの、本気の悩みにお答えする、陰山先生の真剣オトナ人生相談です!

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