万年筆を日本に初めて輸入した老舗文房具店が語る最新トレンド
上原玲子(以下、上原) 今回は『文房具屋さん大賞2019』の審査員でもある、丸善の西條さんに、人気の万年筆やおすすめの万年筆のお話をうかがいます。万年筆ブームと言われて久しいですが、現在もブームは続いていると感じますか?
西條いづみ(以下、西條) そうですね。最近は幅広い層の方に万年筆が使われているなと感じます。特に、プラチナ万年筆の「プレピー」や、パイロットの「カクノ」など、廉価で書きやすい万年筆が出てきたことで、初めてお使いいただく方がグンと増えたと思います。
上原 確かに今回の『文房具屋さん大賞2019』の万年筆賞1位も、プラチナ万年筆の「プレピー クリスタル」でしたからね。
This is stylish! 透明ボディで中のインクが見えるから何本も持ちたい。だって400円なんだもの
西條 「カクノ」の透明ボディも人気がありますが、中のインクが見えるのがとてもいいのだと思います。そう、万年筆のインクの進化も止まりません。カラフルなものが次々に発売されるので、私たちも追いつけない状況です(笑)。
上原 「インク沼」という言葉が流行るほど、インクをたくさん集めている方がいますからね。
西條 お客さまの中でも「好きなインクを選んでブレンドできるインクはどれですか」と言って、売り場に来られる方がいらっしゃいます。万年筆のインクにまでこだわっている方は知識も豊富で、下調べもしっかりされているのでこちらが驚くほどです。