イスラエル政府から、「諸国民の正義の人」と称えられた一人の日本人

やりすごしている重大問題丸わかり! と話題の1冊『高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢』から特別連載中の今回は、「11 難民 のはなし── #カナダへようこそ」の後編。第二次世界大戦中、ユダヤ難民に「命のビザ」を発給しつづけたひとりの勇気ある日本人がいることをご存じですか?

ユダヤ難民に「命のビザ」を発給し続けた日本人

 第二次世界大戦中に迫害を受けたユダヤ人。迫害によりたくさんのユダヤ難民が発生しました。これは人種による迫害なので、難民条約があれば保護されるケースですが、このときはまだ難民条約はありませんでした。

 そんなユダヤ難民を救った一人の日本人外交官がいます。杉原千畝。彼は、戦争の時代を生きた、日本人外交官です。

 杉原千畝は第二次世界大戦中、リトアニアのカウナスというところにある日本領事館に勤めていました。当時のリトアニアには、ナチスドイツの迫害から逃れてきたユダヤ人がたくさんいました。迫害から命からがら逃れ、リトアニアに一時的に避難していたのです。

 ヨーロッパでの戦火が激しくなるにつれ、杉原千畝の勤めていたカウナス領事館も閉館することとなります。その閉館が迫っていた頃、カウナスの日本総領事館に、逃げ場を失った大勢のユダヤ人が押し寄せます。彼らは、入国ビザを必要としない南米の国などを目指しました。しかし、リトアニアの西にも南にも、ドイツ軍が展開しています。だから、西回りでも南回りでも行けません。そこで彼らは、シベリア鉄道でソ連を抜け、ぐるっと東を回って、日本を通過して、南米などの国に逃げようと考え、日本を通過するビザを求めました。

 当時の規則では、日本の通過ビザを出す条件として、日本より先の最終目的国への入国を許可する証明をもらっていること、この場合には南米などの国の入国許可をすでに持っていること、さらにその国に向かうまでの十分なお金を持っていることが必要でした。でも、総領事館の前に殺到するユダヤ人は、この条件を満たさない人ばかりでした。

 杉原千畝は葛藤します。目の前には、ただ生き延びることを目的に、ビザを求める大勢のユダヤ人。ビザがなければその人たちは殺されてしまうかもしれません。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢

島根玲子

貧困、移民、難民、食料、エネルギー、関税、自由貿易、核兵器……etc.やりすごしている重大問題丸わかり! 元コギャル外交官が明快解説する『高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢』から特別連載!

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Yoshida234 #SmartNews 低賃金で働かせたら良い https://t.co/dmJTBHNxb0 3ヶ月前 replyretweetfavorite

ghost_basket #スマートニュース イスラエル政府って異人種差別と虐殺を正当化してる国家の政府じゃないか。 3ヶ月前 replyretweetfavorite