「坂本龍一さんも言っていますよ」的な記事
「音楽に罪はない、って坂本龍一さんも言っていますよ」的なメディアの記事を読む。「賠償額は◯億円になりそう。一方で、坂本龍一がCD回収に反対しています」といった記事には、その媒体がどう思っているのか、との視点が抜け落ちており、というか、意識的に抜いて落としているわけだが、つまるところ、逮捕から3日くらい経つと、番組や紙面・誌面を作る人たちが「よっしゃ今日もこのネタで埋められるぜ!」と意気揚々としている姿だけが見えた。
「この事態」ってどういう事態だろう
特定の被害者が存在しない罪を犯した人間が発表・参加していた作品に、罪はあるのかどうか。それはひとまず、作品を受け止める個々人で決めることだと思う。だからこそ、CDの出荷停止・在庫回収、音源の配信停止を決めたソニーミュージックが、いかなる理由で「音楽にも罪がある」と判断したのかを注視したいのだが、どうにもその理由が見えてこない。
発表された文面を確認する。
「この度、ソニー・ミュージックレーベルズの契約アーティストであるピエール瀧が、麻薬取締法違反の容疑で逮捕されたことにつきまして、ファンの皆様、関係各所の皆様にはご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。この事態を厳粛に受け止め、本日より、弊社が取り扱うピエール瀧、及び電気グルーヴ関連の商品に関して、以下の通り対応いたします」
とある。「この事態」を厳粛に受け止めて停止・回収に踏み切ったそうだが、「この事態」ってどういう事態だろう。
「関係各所の皆様にご迷惑とご心配」
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