第3章 5人に1人いる「超敏感気質(HSP)」を 知っている?
生まれつき「とても敏感」な気質
思春期が終わると、ホルモンや脳の働きの影響で自律神経バランスが不安定になって引き起こされていた症状も、自然と収まっていきます。人によってバラつきはありますが、だいたい20歳を過ぎるころには落ちつきます。
ところが、思春期が終わってもなお、デリケートで傷つきやすい、不安が強い、ささいなことに心身が疲れてしまう状態がつづく人たちがいます。
体質的に、刺激に対する感受性が人一倍敏感、生まれつき「とても敏感」な気質をもっている人です。
世の中には敏感な気質をもった人たちが一定数いることを調べあげて発表し、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼びはじめたのは、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士です。略して「HSP」と呼ばれています。
アーロン博士が敏感さを研究しようとしたきっかけは、ご自身も敏感であることでいろいろなつらさを感じていたからでした。
さらに、アーロン博士は敏感気質をもつ子どもたちのことを「Highly Sensitive Child(ハイリー・センシティブ・チャイルド)」と名づけました。略して「HSC」です。
この概念が日本にも入ってきて、HSPやHSCという呼称が知られるようになりました。日本語では「敏感気質」「ひといちばい敏感」「超敏感」「敏感すぎ気質」などいろいろな呼ばれ方をしています。
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