土用丑の日が近づくと、スーパーやコンビニでうなぎの惹き句を必ずと言っていいほど見かけますが、あれ、何とかならないんですかね。うなぎを求める心が日毎に募って、焦燥とも切迫ともつかない苦しい気持ちになるんです。ただでさえ好きなのに、日常生活で潜在意識にまで訴えかけるのは本当にヤメてほしい。
うー。高いけど。お祝いごとも何もないけど。……食べよう。だって食べたいんだもん!
そう決心してからも、色々問題があります。
どこで、どうやって食べるか。
下足番のいるお店で、うざくや肝焼きから始めて、白焼き、うな重、と心ゆくまで堪能するか。カウンターだけのお店で、串焼きをカジュアルに楽しむか。倹約するならスーパーで小さい端切れを買ってきて、うな卵丼にするか。ああ、悩ましい。
ピンのお店に行けば行ったで松竹梅、大きさと価格を比較して悩むことになるし、串焼きの店だとシメのうな丼をどのタイミング、どのサイズで頼むかが難しい。スーパーのうなぎコーナーでさえ、国産か中国産か、倍近く違う値札を前にうろたえることになる。まことにもって悩ましい食べ物、それがうなぎ。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。