息子を妊娠して以来、育児カテゴリの読み物には全般的に興味を持つようになって、育児書だったり子育て系のブログだったり子育てアカウントの投稿だったりを読み漁るようになった。
そうして知った言葉の一つに「イヤイヤ期」がある。
子どもには「イヤイヤ期」という第一次反抗期があって、その時期を迎えると何をするにもイヤイヤと泣き叫んで反抗するらしい。とにかくあれもこれも嫌がるから親は大変で、「そういうお年頃」なだけでイヤイヤに意味は無いから、基本的にどうしようもないらしい。
妊婦の時にイヤイヤ期の存在を知った私は「え、マジで… ? 幼児って誰もが必ずそんな時期を迎えるの…? なんかピンと来ないけど…」と信じがたい気持ちになり「思春期になっても反抗期を迎えない人だっているし(私)、すべての幼児が無条件にワガママモンスターになるとは思えないけどなぁ…意味もなく嫌がるってどういう心境なのか謎すぎるし…子どもってそんなにも謎な生き物なの…?」と、なんだか腑に落ちない気持ちだった。
出産をして、赤ちゃんを育て始めて1年5ヶ月が経った。あの頃よりはだいぶ「子どもの実態」を知った。
そんな最近の私は「イヤイヤ期なんて言い方は子どもに失礼だ…」と思っている。
「イヤイヤ」は筋の通った要求
育児書やSNSに書かれていた印象だと、「イヤイヤ期」は「なんでも嫌がりたいお年頃」であり「理由のない反抗をしまくる時期」みたいな内容だった。
食べることや眠ることすら嫌がり、服を着るのも嫌がり、とにかく全てのことに抵抗して、やたらと癇癪を起こす。そして「だけどそれはイヤイヤ期だから仕方がない」と。そんな風に書かれていた。
だけど私は、息子が理由もなく「イヤイヤ」と言っているところを見たことがない。
「イヤイヤ」と言うことはたくさんある。けれど、それはいつでも実に正当な主張で、とても筋の通った要求。
息子に「イヤイヤ!」と言われる時、私はいつも「その気持ち分かる!!! そりゃそうだよね…!」と思う。
私が思うに、「イヤイヤ!」の5割は好奇心由来の主張で、2割は自分への苛立ち。そしてあとの3割は退屈とか拒否とか要求。息子を見ているとそんな風に感じる。
好奇心からくる「イヤイヤ」
まず、好奇心由来の主張というのは「やりたい!」系。息子は、やりたいことをやらせてもらえない時に「イヤだ! やりたい!」という主張をする。そしてそれが今の息子の日本語力だと「イヤイヤイヤ!」になる。
例えば食事中の「自分で食べたい!」とか、散歩中の「こっちの道に行きたい!」とか、家の中での「これに触りたい!」とか「これで遊びたい!」とか、こちらが家事をしている時の「自分もそれをやりたい!」など。
そういう主張はすごく多いのだけど、まだまだ幼すぎる息子には「危ないからそれはまだやらせてあげられないの、ごめんね」というパターンが大量にあって、そんな時に「イヤだ、やりたい!」という「イヤイヤイヤ!」が生まれる。
けれど、これってどう考えても正当な主張で、理由のない反抗や癇癪などではない。何もかもが新鮮で、未知で、興味の対象になる子どもが、あれもこれもやりたいと思うのは当たり前だし、そもそも好奇心が旺盛なのは良いことだから「やりたい!」という主張自体は褒めるべきこと。
好奇心からくる主張を、反抗や癇癪として扱うなんて、もはや濡れ衣だし、そんな捉え方はあまりに雑すぎる。