ナチュラルボーン・下ネタの神様

ユウカと晶の不思議な2人の旅のさなかにも、晶の頭の中は、この数年過ごした大阪の思い出ばかり。晶が出会った愛媛出身のお笑い芸人志望の千春は、晶と一緒にコンビを組んで、デビューを目指して頑張っていた。

晶は再び昔のことを思い出していた。

……千春、アノ頃、私たちは何を夢見てたんだろうね。

一緒に長い間を過ごしていたけど、あなたが目指していたものが結局何なのか、私にはわからなかったよ。

千春は私よりもずっと純粋に、芸人になることを目指していたと思う。 私よりも3つの年上の癖して、私よりもずっと純情でバカだったね。

でもね、あなたと付き合うことで、私はバカが大好きっていうこともわかったよ。

私はお金を稼ぐためにやってたけど、千春はずっと何をどうしたら、面白くなるのかを研究してた様に思う。

私は、まったく興味なかったけどあなたの熱意は一流だったと思うよ。

若い私たちなんて、水着になれば一発でテレビの後ろの方には出れたはずなんだけど、千春は「そんなのやらんでいい!」って言って、自分たちのやり方にこだわっていた。

千春と会って、しばらくの間、いろんな話をした。
主には芸人さんたちの話。
「え? 誰それ?」
でも、私は千春の出す芸人のほとんどを知らなくて、いちいち聞き返してた。

最初は怒ってバカにして、やがて呆れ、最後に千春は「逆におもろいかもな」と言って、そんな私に合わせてくれるようになった。

だから、私たちのネタの設定は、モノを知らない私が千春に聞くことから始まる。

晶「うち、高校行ってへんねん。だから、どんな所か知りたいねん」

慣れない関西弁だけど、これは千春から受けた猛特訓で徐々に身についていった。

千春が言うには、関西弁はスポーツでいうところのユニフォームみたいなもので、その恰好をしているだけで、お笑いという競技に参加していることの意思表示だと言っていた。
今でも、その意味がよくわからない(笑)

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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