その人に興味が持てなければ、その「先」の人ともつながれない

包帯パンツの生みの親・野木志郎が、多くの失敗を経験しながらも、細いつながりを手繰りに手繰り寄せ、世界のセレブを魅了するまでにブランドを育て上げたビジネスのしかけを紹介していく『日本の小さなパンツ屋が世界の一流に愛される理由(ワケ)』。今回は人とつながる際に即アウトな行動をご紹介!!! 「こいつ俺の″先″の人脈が目的やな、なんてことはすぐわかっちゃうものです」by 野木志郎

NOBUさんと歯医者さん

私は「NOBU」グループのオーナーシェフ・松久信幸(NOBU)さんと包帯パンツでつながりました。
NOBUさんとの出会いは、ある歯医者さんがきっかけです。
千趣会時代に通っていた会社近くの歯医者さんが私に合わず困っていたところ、上司がホテルオークラ別館にあるミヤタデンタルオフィスを紹介してくれました。行ってみると宮田典男先生の腕前が実に確かで、それからすっかり行きつけになってしまいました。

しばらく通っているうちに私が会社を辞めて独立することになり、そのことを宮田先生に伝えたところ、「どんな事業をやるの?」と興味津々。
包帯でパンツを作ったんですよ」
「何それ!」

そこで商品を渡して宮田先生に穿いてもらったところ、大変気に入ってもらえました。
私はここぞとばかり、宮田先生にパンツを何枚か渡し、厚かましくも「周りに渡せる人がいたら渡してください」とお願いすると、どでかい会社の社長さんをはじめ、いろいろな方にパンツを渡してくださったのです。

そのひとりが、NOBUさんでした。
ご存知の方には説明するまでもありませんが、NOBUさんこと松久信幸さんは、新宿の寿司屋で修行したのち、24歳でペルーに渡って日本食レストランを開業。
その後は、アルゼンチンのブエノスアイレスで働いた後、アメリカのアラスカ州にはじめて自分の店を持ちますが、なんと火事でお店をなくしてしまわれます。
しかしそこから再起を遂げるのです。

1987年、ビバリーヒルズに「MATSUHISA」をオープンすると、ハリウッドセレブたちの間でまたたく間に評判となり、常連客だったロバート・デ・ ニーロさんとともにNYに日本食レストラン「NOBU ニューヨーク」を開店。

「NOBU」で食事をすることは、セレブの間でひとつのステータスとなっていきました。
現在、日本では虎ノ門にNOBUトーキョー( in 虎ノ門)を展開する他、世界中で44 店舗を、「MATSUHISA」は世界で8店舗を展開しています。

包帯パンツが取り持つご縁

そのNOBUさんが、ミヤタデンタルオフィスがかかりつけであることを宮田先生にお聞きした私は、軽い気持ちで「それならNOBUさんに、包帯パンツをお渡し願えますか?」とお願いしました。
その時、会社を立ち上げたばかりでもあったので、小さなチャンスでもモノにしたい、とにかくひとりでも多くの人に包帯パンツを穿いてもらいたい、そう思って必死でした。

ただ、ミヤタデンタルオフィスに置いてあるNOBUさんのレシピ本を見て「この方は誰ですか?」と聞いたくらいなのですから、NOBUさんがそんなにすごい人だとはまったく知りませんでした(NOBU さん、すんません!)。

そうこうしていると、後日先生が「NOBUさん、パンツすごく気に入ってたみたいだよ」と教えてくれました。それはよかったと胸をなでおろしていると、今度は すごいサプライズが!
ある時、宮田先生のほうから「急な患者さんが入ったので」と、予約した時間の急な変更をお願いされました。私は予定がなかったので承諾し、指定された時間に行って治療台へ。そこで、口を開けているまさにその時、何やら向こうのほうから大男が近づいてくるではありませんか。

宮田先生が一言、「こちらNOBUさん」。
口を空けたままの私は「んがんがんが!」。
これにはほんとびっくりしました。
ちょうどNOBUさんが私と同じ日に予約を入れたので、私の時間をちょっとずらせば紹介できる、と先生が仕組んだのです。

その後NOBUさんを通じて、ロバート・デ・ニーロさんやジャズミュージシャンのケニー・Gさん、元サッカー・イングランド代表のデビッド・ベッカムさんの手に包帯パンツが渡る……ことになるのですが、この時はそんなこと知るよしもありません。

「包帯パンツ」という、自分にとって一生の仕事にしてもいいと思えるモノが、宮田先生やNOBUさんとの出会いを取り持ってくれたのです。

目当ては「先」にいる有名人?

ただ、NOBUさんと知り合ってから「親しい」と呼べる関係になるまでに、実は5、6年はかかっています。
そもそも、カリスマ料理人と私みたいな小さい会社の経営者が親しくなれただけでも奇跡なのですが、親しくなれた理由に心当たりがあるとすれば、ひとつだけ。
私が仕事を拡大するために「NOBU トーキョー」に通っているのではなく、「NOBU トーキョー」を楽しむようになったからだと思います。

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日本の小さなパンツ屋が世界の一流に愛される理由

野木志郎

東京は渋谷で小さな下着メーカーを経営する野木志郎は、「ムレない、ベタつかない、しめつけない」という独特の穿き心地で、世界のセレブを魅了する「包帯パンツ」の生みの親。いまでこそ年間10万枚も売り上げる「包帯パンツ」だが、発売当初は商品力...もっと読む

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コメント

zi_key36 先人の経験いただき❗ 4ヶ月前 replyretweetfavorite

asapublishing 【連載中!】「#cakes」様で『日本の小さなパンツ屋が世界の一流に愛される理由(ワケ)/#野木志郎 著』の連載8回目が掲載されました。目当ては「先」にいる有名人? https://t.co/2YEdePuCpv #包帯パンツ #SIDO 4ヶ月前 replyretweetfavorite

junkohdotcom この話いいです! こういうの好き♡ https://t.co/OubWMSOZuU 4ヶ月前 replyretweetfavorite