名刺なんてなくても困らない
前回に続き、名刺の話をもうひとつ。
実は今、交換した名刺は半年で倉庫の奥にまとめてしまい込んでいます。
なぜなら、その後ビジネスでなんらかのつながりが発生している人は、名刺を交換してから 1 ヶ 月以内にメールのやり取りをしているから。
一度でもメールのやり取りをしているならメアドは残っていますし、メール末尾の署名欄にはその他の連絡先も書いてありますから、それで十分。
名刺の原本は机の中に置いておく必要はありません。
名刺を交換してから1ヶ月以上経ってもなんのやり取りも発生しないということは、少なくともビジネス上では今後つながることはほとんどないということ。
プライベートでは、もしかしたら「飲みに行こか」となることがあるかもしれませんし、紹介してくれた人を介在した誘いもあるでしょう。
でも、そんな時に正確な肩書が刷られた名刺がなくても、なんら支障はありません。
私が名刺に頼らなくなったのは、何気なく机の引き出しを開けて名刺の束をしげしげと見つめたことがきっかけです。
これ、私の悪いクセなんですが、モノを整理しようとすると、いちいち昔のことを思い出して作業がストップし、そこからジーッと見 つめ、考えはじめてしまうのです。
最初のうちは「これは残しとかな。これはアーカイブ!」と名刺を仕分けしていました。
でも、あまりの量に途中で嫌になってきて、そのうち昔を思い出してばかり になるので、もうダメダメ。結果、この時間がムダだなと思うに至り、「もうええ! 直近半年以外は全部アーカイブ、倉庫行きじゃ!」という英断を下したわけです。
アーカイブした名刺が 1000 枚あったとして、そのうち 2、3枚はアーカイブしないほうがよかったかもしれません。
でも、その選別をして昔を思い出しているヒマがあったら、今やれることをやり、新しくつながれる人とつながることに時間を割いたほうが、よっぽど有意義です。
もし後からアーカイブしてしまった名刺の人に連絡を取りたいと思ったとしても、 今の時代はその人が所属する組織なり個人なりのウェブサイトなどを頼りに、いくらでも連絡のつけようがあります。
それで連絡を取って、「以前こういう場所で会 おうてんねんけど」と言えばいいだけ。
それに最近では「Eight」みたいな名刺管理アプリがあるので、スキャンして登録しておけばいいし、とにかく思い出に浸たる時間がもったいないので、「名詞は半年で 倉庫行き‼」と決めてしまってもいいかもしれません。
異業種交流会・名刺交換会は意味がない
以前、サラリーマン時代に中国の若手起業家のVIP たちと会食した時や、アメリカのL.A.の工場などに長期間通いつめ、それぞれ現地の有力者と交換した時など、 思い出深い名刺は沢山あります。
ただ、いずれもその場のことだけで終わっていますし、後から名刺を見返しても「あんなとこ行ったよなあ」なんて思い出に浸るぐらい しかありませんでした。
私もログインを立ち上げた頃は、異業種交流会とか勉強会とかにどんどん参加して、ハイエナのようにあっちこっちに行っては名刺交換をしていました。
たしかにその時は「これで仕事がどんどんひろがっていくぞ」と思ってもいました。
でも、今ではそんなことにはさしたる意味がないと思っています。
ろくに話もできず短時間で名刺交換したところで、後から顔も思い出せやしません。どうせ向こうも、 私の顔なんか覚えていないでしょう。
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