いろいろな展覧会、観て回っていらっしゃいますか?
おすすめの展覧会、今回もご紹介いたしましょう。東京・オペラシティアートギャラリーで開催の「アートがあればⅡ」です。
ずいぶん妙な展名ですね。展示の構成も風変わりで、だれかひとりの個展ではありません。じつにたくさんのアーティストの作品がところ狭しと並ぶのですが、それらはすべて、日本のアートコレクターによる収集品なのです。
会場はいくつかの部屋に分かれており、そのひとつずつを、ひとりのコレクターが自身の所蔵品で埋め尽くします。コレクターは全部で9人。合計で206もの作品が展示されています(詳細はこちら)。部屋を移るごとに、ずいぶん雰囲気が異なるのがおもしろい。どんな作品を集めているか、そのコレクターの「色」がはっきりと出るものですね。極端かもしれませんが、「持ち物を見れば、その人がわかる」。それも真実の一面だと思わせます。
部屋の全体を暗がりにしてあるのは、「A.K.collection」。ホルマリンに浸かった胎児を撮影した森山大道《無言劇》、殺伐とした暗がりの光景のなかに人やオブジェが浮かび上がる志賀理江子の写真作品《螺旋海岸》シリーズなど、情念が絡みついたようなイメージが続々と出てきます。荒々しくて強烈。このコレクターは、ハッとするような刺激をアートに求めているのだろうとの想像がつきますね。
「A.K.collection」の部屋で、志賀理江子の作品群
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