生き抜くための恋愛相談

いつも同じパターンで失恋してしまうのはなぜ?

「これって脈あり?脈なし?」「男にとって"重い女"ってなに?」「デートしても友だち止まり…色気とムードの正体とは?」「好きな人すら見つからない」…etc。18年で1200人以上の女性の悩みに寄り添う「恋愛相談のプロ」が、あなたのモヤモヤの核心に迫ります。桃山商事の人気コラム『生き抜くための恋愛相談』を特別公開!

いつも同じパターンで失恋してしまうのはなぜ?

半年前まで、同じ職場の元カレを引きずっていました。毎日顔を合わせるため、いつまでも忘れることができませんでした。美空ひばりの息子に似たその彼には、すでに新しい彼女がいたので、つらい日々でした。

そんなふうに鬱々と過ごしていたところ、新しい恋の予感がありました! よく行くセレクトショップの時計屋のおにいさんです。しかもその人、私の幼馴染の知り合いということが判明し、さっそく飲み会をセッティングしてもらいました。そして、飲み会は滞りなく終了。連絡先を交換したもののいい感じになるでもなく、どうデートに誘ったらいいか悶々としていました。そうこうしている内に、時計屋のおにいさんには彼女ができてしまいました……。

でもその後、また新しい恋の予感がありました! 職場の暑気払いに来ていた、近所のバーで働く男の子です。黒髪パーマに白シャツで、見た目が好みでした。イケメンだったので、モテる部類の人であることがひと目でわかりました。彼が働くお店にこまめに通っておりましたが、ある日、その彼に恋人ができたことを知りました。

でもその後、また新しい恋の予感がありました! 仕事の取引先の、五郎丸に似た人です(以下略……)。

いつも同じパターンの繰り返しで、好きな人ができても、誰ともうまくいきません。この状況を打開するにはどうしたらいいでしょうか?

(32歳・カナ)

実は恋愛も失恋もしていない?

カナさんは、自分の〈パターン〉が繰り返されることに悩んでいます。その〈パターン〉とは、「新しい恋の予感→悶々としているうちに相手に彼女ができる→諦める」というものです。

理屈だけで解決策を考えるならば、「ピンと来たらすぐにアプローチする」が〈パターン〉から脱却する方法となるはずです。片想いの場合は自分からアプローチするしか手はないわけですし、相手に彼女ができて諦めるというのが失敗パターンだとしたら、フリーの内に素早くアクションする必要があるわけです。

しかし、それができたらカナさんは悩んでいないでしょう。すでに「そんなことわかってるよ!」という話だと思います。だからこれは、そのままでは解決策として不十分ということになります。

そこで考えたいのが、なぜカナさんは「ピンと来たらすぐアプローチする」ことができないのかという、その理由です。おそらく、カナさんがアプローチへの最初の一歩を踏み出せずにいるのは、今いる現在地から出ることを躊躇させるものがあるからだと思われます。その正体がわかれば、具体的な解決策も見えてくるはず。そのためにまず、カナさんの現在地から明らかにしていきましょう。

カナさんと好きになった男性たちとの関係性を改めて見てみると、カナさんと〈時計屋のおにいさん〉や〈バーで働く男の子〉との関係は「お客と店員」であり、〈五郎丸〉は「取引先の人」です。彼らに対して恋愛的なアプローチはかけておらず、ましてや告白してフラれたわけでもありません。カナさんからしたら彼らは恋愛相手かもしれませんが、彼らにとってカナさんはビジネスの相手に見えているはずです。言うなれば、カナさんが立っているのは恋愛という〝プライベートの世界〟であり、彼らが立っているのは〝ビジネスの世界〟なのです。つまりカナさんは、プライベートの世界から、ビジネスの世界にいる彼らに対して恋愛感情を抱いている。これがカナさんの現在地です。

この状態は、あえて言うなら恋愛よりも「ファン」に近いものだと考えられます。例えば芸能人にとってテレビや舞台は〝ビジネスの世界〟になりますが、そこに立っている彼らに対して、ファンは恋愛に似た感情を寄せます。カナさんが恋愛をして失恋したと認識しているその〈パターン〉は、例えば「大好きな芸能人ができる→しばらく追っかけライフを楽しむ →しかしその人に熱愛が発覚してショック!」といったファン心理とよく似ています。実態としてはファンなのに、それを恋愛だと認識し、一方的に失恋してしまっている──。我々としては、ここに問題の核心があると見ています。

ファンという立場を脱却し、恋人候補にエントリーする

ただし、これはファンがダメという話では決してありません。次々と好きな人を見つけることができるのはひとつの才能と言えますし、しかも相手は遠い世界の芸能人ではなく、身近にいて、ちょっとした交流も可能な人物です。関係性の進展を望まなければ、むしろ日々トキメキを享受できる刺激的な状況ではないでしょうか。

また、コミュニケーションの観点で見れば、実はファンは「楽で安心」なポジションと言えます。なぜなら、思いを寄せる相手と自分の関係性が明確で固定化されているからです。ファンとアイドル、客と店員、上司と部下、先生と生徒……などなど、固定化した役割やポジションがあれば、それに応じた振る舞いをすることでコミュニケーションが成立します。

したがって、カナさんが「今の状態もさほど悪くはないかも!」と認識を変えることができるなら、現状維持もアリな道だと思います。しかし……カナさんの希望は現状を打開することです。つまり、思いを寄せる相手と恋愛関係になることを望んでいる。

だとすると、「ファンという立場を脱却し、恋人候補としてエントリーすること」が必要になるはず。要するに、彼らの〝プライベートの世界〟に足を踏み入れるということです。

ただし、これは口で言うほど簡単なことではありません。プライベートな関係を結ぶためには、今の〝枠組み〟から飛び出す必要があります。例えばお客(ファン)であれば、お店に行けば相手に気軽に会えますが、プライベートで会うためには「お誘いをしてOKをもらう」というプロセスを踏む必要があります。ファンとアイドルや客と店員といった固定化された関係性では、距離感の取り方や振る舞い方が決まっていたのに対し、プライベートの関係性では、すべてが未確定な地点から再スタートするわけです。これは少し大げさな表現で言えば、相手にとって〝得体の知れない他者〟になるということです。

また、ファンであれば「自分が相手をどう思うか」だけで話が完結しますが、恋愛関係となると「相手が自分をどう思うか」という要素が加わります。つまり、気持ちのベクトルが一方向だったのが双方向に変わるわけです。

双方向になることで、自分だけに対するスペシャルな気持ちを向けられる可能性が出てくると同時に、誤解されたり嫌われたりというリスクが発生します。これが恋愛関係の怖いところです。おそらく、カナさんが一歩踏み出せない背景には、この恐れがあるのではないかと思われます。

しかし、恋愛関係へ移行したいのであれば、一方向の関係から双方向の関係へと変化する覚悟が求められます。ファンというリスクのない安全地帯から出て、いったん〝得体の知れない他者〟からはじめて、自分と相手の気持ちの落差を直視し、少しずつ相手を知り、同時に自分を知ってもらう……。こういったことがどうしても必要になってくるわけです。

最初のハードルをどうやって越えるか
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生き抜くための恋愛相談

桃山商事
イースト・プレス
2017-09-07

この連載について

初回を読む
生き抜くための恋愛相談

森田雄飛(桃山商事) /清田隆之(桃山商事)

「これって脈あり?脈なし?」「男にとって"重い女"ってなに?」「デートしても友だち止まり…色気とムードの正体とは?」「好きな人すら見つからない」…etc。18年で1200人以上の女性の悩みに寄り添う「恋愛相談のプロ」が、あなたのモヤモ...もっと読む

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