いろんな男性から「重い」と言われます
先日、男友だちに恋愛相談をしていて、片想い中の人に送ったメールを見せたところ、「重っ!」と言われてしまいました。
元カレからも「ちょっと重い」と言われたことがあるし、飲み会の席で職場の男性から「付き合ったら重そう」と冗談交じりに言われたこともあります。普段の態度から重さがにじみ出てしまっているのでしょうか……。
重たい言動って具体的にどんなものですか? できれば卒業したいけど、〝重い〟ってなんなのかよくわからなくなってしまっている今日この頃です。
(27歳・桃子)
ふたつの発想から読み解けること
相談文には、桃子さんが複数の男性から〈重い〉と言われた経験がつづられています。桃子さん自身にハッキリした自覚はないものの、「みんなが重いと言うのだから自分はきっと〝重い女〟なのだろう……」と認識し、そこから〈卒業したい〉と願っている。でも、具体的にどうすればいいかわからない──。これが桃子さんの現在地です。
桃子さんの相談文からは、ふたつの特徴的な発想が読み取れます。
ひとつは〈重い言動って具体的にどんなものでしょうか〉という発言に見られる〝チェックリスト的発想〟です。これは、世の中には「こんな発言や行動をしたら重い女」という禁止事項の〝チェックリスト〟が存在しているという考え方です。桃子さんには、自分がリストに載っている行動や発言を、知らないうちに行ってしまっているのではないかという恐れがあるように見えます。
もうひとつは〝二元論的発想〟です。これは世の中には〝重い女〟と〝重くない女〟の2種類がいるという発想で、〈(重い女から)卒業したい〉という言葉が示すように、自分が属する〝重い女〟を下に位置づけています。
これらをまとめてみると、桃子さんの中には「自分はチェックリストに載っている行動や発言を行っているため、重い女になってしまっている。そのリストの項目を学んでクリアすることができれば〝重い女〟を卒業し、〝重くない女〟へと昇格できる」という考えがあることが見えてきます。
では、仮にチェックリストが存在するとしたら、具体的にどんな行動や発言が禁止されているのでしょうか。
・LINEやメールの返事がないと催促の連絡をする
・出会ったばかりの相手に深刻な相談をする
・自分の好意を全力で相手にぶつける
・恋人に対して「自分は我慢している」ということを伝える
あくまで一般論ですが、例えばこのような項目が挙げられるでしょう。このチェックリストをクリアするための方法としてまず考えられるのが、「重いと思われる行為をやらない」という方法だと思います。
しかし、これは現実的な対処法だと思えません。なぜなら、重いと感じるポイントは人によって様々だからです。ある言動を「重い」と感じるかどうかは、その人の考え方やその時のコンディション、あるいは両者の関係性によって変わってきます。つまり禁止事項は無限に想定できるため、どこまで行ってもキリがないのです。これは〝チェックリスト的発想〟の構造的な問題とも言えます。
さらに、そうやって無限に想定される禁止事項を意識しながら男性と接したとしても、気持ちが常にビクビクしてしまい、コミュニケーションがとてもつまらないものになってしまうでしょう。
「重い」にあって「重くない」にないものとは
だとすれば、どうしたらいいのでしょうか。無限に広がる〝枝葉〟をひとつずつ摘んでいくのが無理ならば、それらのもとにある〝根っこ〟を押さえるというのはどうか……。
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