エモーションなんて味付けでしかない
——小野さんもキャラクターとして雰囲気があります。さっき「チャーミング」という言葉が出て来ましたが、特に上の人に対して、どう付き合っていったらうまくいくのでしょうか。
「自分はあまりチャーミングなほうではない」と語る小野直紀さん
小野直紀(以下、小野) 僕はあんまりチャーミングなほうではないかもしれないです(笑)。ニコニコはするようにしてるんですけど、わりと上の人にも突き上げるような発言したりしちゃうんで。でも、さっきも言いましたけど、二人で行って、一人はロジカルに、一人はエモーショナルにっていう担当なんで。そうしたらなんとなくお互い、こっちがロジカルに行って詰まってたら、こっちがエモーション方向からちょっと話を変えれば、なんとなく抜け道が見えてくる。
——それはやっぱりリアルにわかってるんですね。エモーションだけではダメだから。
小野 ダメダメダメ、もう全然ダメ(笑)。人にもよるけど、エモーションなんかほんと味付けでしかないですからね! でもロジックを考えるのも、別に彼だけが考えるんじゃなくて一緒に考えるんですよ。でもしゃべるのは彼。だから彼の企画書は1ページにすごい文字があるんですよ。僕は1行なんです。そこも使い分けで。自然にそうなっていったんですけど。
——可愛がられる方法ってなんかあるんですか。
小野 いやーそれね(笑)。別に可愛がられてるわけじゃないかもしんないんですけど、僕の感覚でいうと、なんかわりと役員の人たちってあんまり下から突き上げられないんですよね、面と向かって。だからわりと僕は正直ベースで行って、しかも「口は悪いですけど」とか、「今イライラしてます」とか言っちゃう。
うまく言うよりも、正直に言う
箕輪厚介(以下、箕輪) え、なにその「今イライラしてます」って! 怖いわ!(笑)
「なにそれ、怖い!」と笑う箕輪厚介さん
小野 いやいやいや(笑)。それは単純に僕の気分がイライラしてるとかじゃなくて、今言われたことに対して僕はイライラしてます、だから今から言う発言は若干汚い言葉になるかもしれないよっていうのを、泳がしたうえで言うっていう(笑)。
要するに、嘘をつかないっていうのはすごい大事かもしれない。うまく言うとかよりも、正直に言う。逆に不器用なのかもしんないけど、博報堂の人たちってやっぱ口うまいから、僕がどんだけごまかして言っても仕方ないところもあるんですよね。
箕輪 化かし合いみたいな。言い負かし合い。だったら正直に言ったほうがいいよね。早いもん。
小野 そう。正直ベースでぶっちゃけトークしたほうが、お互いに早い。それならあきらめて他の道探すっていうのもあるし、じゃあそれはこういうやり方あるんじゃないですかっていうのも見つかると思うんで。そこで化かし合いよりは正直ベースで話せるほうが、前に進む気はします。
一番逃げたくなる時に、どうふるまうか
——箕輪さんは、可愛がってもらえるコツってなんだと思いますか。見城さんは担当編集だったこともありますが。
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