「もっと具体的に」とは、“数値”と“固有名詞”を示すことである
あなたはこれまでに「もっと具体的に」と言われたことはないだろうか。
社会人になりたての頃は、ほぼ毎日のようにそうした注意を受けるはずだ。
それ以前に、そもそも「具体」の意味をあなたは知っているだろうか。
具体の具は「具(備)える」だから、「体(形)を具(備)えているもの」ということになる。
つまり「形のあるもの」が具体ということである。
形のあるものは一般に数えることができ、また名前がついていることが多い。
だから具体的ということは、数値と固有名詞で示せる状態のことである。
「もっと具体的に」と言われたら、あなたはそれに数値と固有名詞を入れてより詳しく説明すればいいのだ。
たとえば、「たくさん」ではなく、「10個」や「100個」と“数値”で述べる。
あるいは、「一流大学」ではなく、「東京大学」や「京都大学」と“固有名詞”で述べる。
以上が具体的に述べるということなのだ。
こうした初歩的なことを知っているか否かであなたの評価はガラリと変わるし、
仕事やコミュニケーションが断然捗るようになる。
一方で、具体の対義語は「抽象」だ。
つまり、具体の反対だから抽象とは「形を備えていないもの」という意味だ。
ちなみに、抽象の抽は「引き出し」を意味し、象は「形」を意味する。
共通の形を引き出す、共通点を抜き出すのが抽象である。
たとえば、「10個」や「100個」ではなく、「たくさん」と述べる。
あるいは、「東京大学」や「京都大学」ではなく、「一流大学」と述べる。
以上が抽象的に述べるということなのだ。
IQの高い人は具体的なものを抽象化する能力に長けているが、ビジネスでは抽象的な表現を常用すると嫌われることが多い。
ひょっとしたらあなたも抽象化するのが大好きな優等生かもしれないが、ここは一つ、ビジネスという土俵では抽象的なものを具体化する訓練を積んでもらいたい。
なぜなら具体化したほうがより多くの人に伝わるから、より多くの人に愛されてお金も稼げるからである。
すでにお伝えしたように、「結論→理由→具体例」と最後に具体的に伝えることにより、「話がわかりやすい」「わかりやすい文章だ」とあなたが評価されるのは間違いない。
「である」調か「です」「ます」調かを統一させる
これは新人のみならずベテラン社員の文章でもよく見かけるのだが、
文末が「である」調と「です」「ます」調で混在していることがある。
市販の本でもそうした文章がたまにあって驚かされる。
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