わざわざのオンラインストアのスタイリングは平田が担当。
つまりはわざわざのセンス担当になります。
「平田さんってセンスいいよね」と時々そんなことを言われます。実は自分ではあんまりそうは思ってはいません。だけど、この時のセンスって何を指しているのかな?という考え方は、高校生の頃に感じた違和感まで遡ります。今日から数回に渡ってセンスについて考えてみたいと思います。
センスを考え始めたきっかけ
高校生の頃、特に仲が良いわけでないが、同じ団地に住んでいる女の子とたまたま帰り道が一緒になったことがあった。わたしはこういうシチュエーションがとてつもなく苦手だ。さして興味のない人と、一般的な会話を適当に受け流しながら話すということが、なかなかうまくできないのだ。こういう時は相手に過剰に質問するという技を使って、自分に会話の矛先が向かってこないように気をつけている。
その日もいつものように、その場をしのぐために質問を繰り返して難を逃れようとしていた。だけど、彼女との距離感が微妙すぎて(10年以上同じ団地に住んでいたのに殆ど会話をしたことがなかった)会話を紡いでいくのが本当に難しく苦戦した。心の葛藤をよく覚えている。だけど、彼女が突如放った一言で、頭の芯まで揺さぶられて、思わず「ぇぇぇえっ?」と声が裏返ってしまうくらいきょとんとしてしまった。
それは「〇〇ちゃんってセンスいいよね? 憧れちゃう。」という一言。でも、その〇〇ちゃんはわたしからすれば、ひと昔前のヤンキーそのものだった。なんでこの時代にセーラー服のスカートが地面すれすれなの?とか(当時、スカートの丈が段々短くなっていった時期だった)、なんで前髪をいつも上にカールさせているのだろう?とか、ゲーセンで取ったようなめっちゃでっかいふわふわの毛がセカンドバッグに付いているし!みたいな感じだった。顔がめっちゃ美人でかわいいのにセンスが悪くて損をしている人という認識だったので、本当に驚いた。
その日の晩から、人がよいと思うものはこんなにも違うのか?と夜眠れなくなるくらい考えた。わたしはセンスが悪いと思っているものを、センスがよいと真逆の評価を下す人がいる。センスって何なのだろうか? センスはどうやって構築されていくのだろうか?
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彼女とわたしのセンスの違い