災害時に冬を生き抜くためのサバイバル術

「野食」とは野外で採取してきた野生の食材を食べること。災害やトラブルが生じたときのサバイバルにも役立つ野食。今回は、何らかの事情で食糧供給がストップしてしまったことを想定して、冬の都市部でどうやって食材を調達するかというお話です。


冬の河川敷は一見するとただの枯野原に見えるが、結構食材はある

ようやく暖かくなって来ましたね!
花粉症持ちのぼくですがやはり春は嬉しい。みなさんはきっと梅の開花や桜のつぼみの膨らみで春の訪れを感じるのでしょうが、ぼくら野食の民はハマダイコンの開花やフキノトウのつぼみで春を感じることが多いです。

食材の少ない、野食の難しい時期である冬がようやく終わりを告げ、美味しい食材との出会いに溢れた時期がやってくる喜びは言葉には言い表せないものがあります。四季の移り変わりをよりエモーショナルに楽しめる、これもまた野食の魅力のひとつと言えるでしょう。

しかし、春に浮かれる前に、当連載では今一度「冬の野食」について見直しておきたいと思っています。
地震や噴火のような巨大災害は発生の時期を選んではくれません。また、今年ははしかのプチパンデミックも発生するなど、寒く乾燥した冬の時期は病気の流行という災害のリスクもあります。

災害やトラブルなどで流通や経済が破壊され、都市機能が麻痺してしまったときも、明るく楽しく無理なく生き延びる事ができるための知識。野食にはそういう役目もあると考えているぼくにとって、難易度の上がる冬の野食というのは重要なテーマのひとつです。
地域性もあり、ひとことでまとめるようなことは到底できないのですが、「関東周辺」での冬の野食について、今ぼくが持っている知見を、今回まとめておきたいと思います。ぜひご参照くださいませ。


冬のビタミン源はアブラナ科に頼ろう


白い草むらの中に目立つ緑を見つけたら……

木々が葉を落とし、草むらも白くなる冬の間は、まるであらゆる植物が枯れてしまっているのではないかと錯覚してしまうかもしれません。
しかし実際はそんなことはなく、春の訪れを待ちきれないかのように緑に萌える草々があちらこちらに見つかるでしょう。
ぼくの住む関東周辺の地域において、そのような冬にも元気な植物たちには、アブラナ科というグループに含まれる野草が数多くあります。これこそが冬の野草採りの主役になるのです。

冬の間に旬を迎える野菜を思い浮かべてみると、ハクサイ、ダイコン、カブ、キャベツ……いずれもアブラナ科植物です。また、新春早々に食べる春の七草も、そのうち3つ(ナズナ、スズナ、スズシロ)がアブラナ科。
野草も全く同様で、上記の七草に含まれるナズナやその代用品に用いられることもあるタネツケバナ、土手や海岸で葉を茂らせるハマダイコンなど、真冬に最も美味しくなるアブラナ科の野草は沢山あります。


ハマダイコンの根はまさにダイコンなので判別がたいへん容易

葉の形や大きさは種ごとにバラバラですが、かじるとピリッと刺激的な辛さのあるものが多く、判別が容易なのは魅力です。毒草の種類も、他のグループより少ないといわれています。(ないわけではないのでご注意を)

アブラナ科野菜は多くが淡色野菜ですが、アブラナ科野草はビタミンA豊富で緑黄色野菜と同等の栄養価を誇るのも嬉しいところ。これさえ覚えていれば、冬の間でもビタミン不足による体調不良は防ぐ事ができるでしょう。
というよりむしろ、個人的にはアブラナ科野草は美味なものが多いと感じているので、冬もある意味「野草採りに向いた」季節と言えるのかもしれません。
寒風吹きすさぶ中、じっとしゃがんで草を摘むの、すごい寒いけどね……


冬こそ美味しい動物たちを採るコツ
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野食ハンターの七転八倒日記

茸本朗

「野食」とは、野外で採取してきた食材を普段の食卓に活用する活動のこと。 野食ハンターの茸本朗さんは、おいしい食材を求めて日々東奔西走。時にはウツボに噛まれ、時には毒きのこに中毒し、、、 それでも「おいしいものが食べたい!」という強い思...もっと読む

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