企画書を書く以外の時間が勝負の分かれ目
ある程度社会人経験を積むと誰でも気づかされることがある。
それはじっくり時間をかけてウンウン唸って書いた企画は、意外に通らないということだ。
反対に、楽しんでサッと書き終わった企画は意外にアッサリ通る。
何とも皮肉な話だが、それが世の中というものだ。
じっくり時間をかけて書いた企画がなぜ通らないかと言えば、普段は何も考えていない人が考える企画だからつまらないのだ。
サッと書き終わる企画がなぜ通るかと言えば、普段じっくり考えている人の企画だから面白いのだ。
じっくり考えるのは普段するべきことであり、いざ企画を求められたら、普段考え抜いてきた引き出しから引っ張り出して提出すればいいのだ。
そういう意味でちゃんと遊んでいなければ現実の市場はわからないし、老若男女問わず対話することで幅も広がるから、日常すべてが企画のネタ集めだと言える。
経営コンサルタント時代の途中でそれに気づいた私は、今からじっくりと考えなければならないような企画は絶対に提案しないと決めた。
それ以来私の企画書は最大でもA4一枚となり、そこに「結論→理由→具体例」のみを記して次々と仕事を受注したものだ。
最終的にはそれすらもなくなり、依頼者にはオフィスに来てもらって、ホワイトボードに即興のプレゼンをして仕事を受注していた。
企画の内容に絶対の自信があってどんな質問にも即答すれば、相手は私に全幅の信頼を寄せることもわかってきた。
私は企画を提案する際に、「これを今すぐやらないのはアホではないか」というくらいの自信はあったし、そもそもそう思えないような企画は提案しなかった。
初期の頃は基礎を徹底するために、「企画書の書き方」的なマニュアル本を読むことも大切だろう。
しかし一度基礎を固めたら、さっさとその模範解答から離れる工夫を凝らすことだ。
マニュアル通りに企画書を書いて通るほど世の中は甘くないし、さらにじっくり考えて仕上げた企画書となるとより通る確率は下がる。
一流の企画立案者は、企画書を作成している時間以外こそが真の仕事なのだ。
コンサル的な図表は、自己満足である
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