もう野菜を余らせない! 保存版「野菜の冷凍術」

39回目のテーマは『野菜の冷凍術』。購入した野菜を消費しきれず、駄目にしてしまった経験はないでしょうか。野菜の冷凍にはコツがあり、食材へのダメージを少なくする冷凍法が存在します。冷凍野菜を使った「おひたし」と「冷凍かぼちゃの甘辛煮」とあわせてご紹介します。この連載もベースとなった『新しい料理の教科書』も好評発売中です。

料理とは『温度をコントロールすること』ですが、今回のテーマである『冷凍』もその一つ。冷凍という概念をマスターすると、食材を余らせたり、無駄にしたりということが少なくなります。
ところが、この冷凍。活用できる人とそうでない人がはっきりと分かれる技術です。上手に使うには最低限の知識が必要だからでしょう。

そこで今回から何回かのシリーズで〈冷凍〉について、説明していきます。最初のテーマは『野菜の冷凍』です。


野菜を上手に冷凍するために覚えておきたい2つのこと

その前に冷凍とはなにか、を復習しておきましょう。

冷凍とは食品を-18℃以下にすることです。日本の冷蔵庫についている冷凍庫の温度は工業製品に定められたJIS規格によって、-18℃以下に設定されていますが、この温度の根拠は微生物が活動できず、安全が保たれるからです。冷凍することにより食品の保存期間は飛躍的に伸びます。
ただ、肉や魚などは家でも比較的簡単に冷凍できますが「野菜の冷凍は難しい」と感じる人も多いのでは? その理由は食品に含まれる水分にあります。

試しに冷凍庫で青菜を凍らせてから解凍すると、こんな風にしんなりとしてしまいます。冷凍した食品を解凍すると元の食品とは性質が変わってしまうのです。


左が冷凍前、右が解凍後の青菜

青菜はなぜ、やわらかくなってしまったのでしょうか?

これには二つの理由があります。1つ目は物理的な理由で、冷凍をすることで青菜のなかの水分が凍り、できた氷の結晶が細胞膜や細胞壁を傷つけてしまうからです。細胞膜や細胞壁が壊れることでやわらかくなるのは、原理的には加熱をしたのと似た状態。

「かぼちゃやニンジン、アスパラガスやブロッコリーといった野菜を解凍するとグニャグニャになってしまう」
という声を聞きますが、これは言ってみれば加熱のしすぎのような状態です。それを避けるためにはあらかじめて野菜を小さく切ってから、冷凍すること。早く凍らせることができれば氷結晶が小さくなるので、食材に与えるダメージを減らすことができますし、やわらかくなってしまう繊維をあらかじめ断ち切ってしまえば食べるときに気になりません。

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樋口直哉

食の博識、樋口直哉さん(Travelingfoodlab.)が、味噌汁、ハンバーグ、チャーハンなどの定番メニューを、家庭でいちばんおいしく作る方法を紹介します。どういう理由でおいしくなるのか、なぜこの工程が必要なのかを徹底的に紹介し、...もっと読む

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izaken77 樋口さんの冷凍の話で、冷凍した根菜がブヨブヨになる謎が解けた https://t.co/gSyH1o05e2 9ヶ月前 replyretweetfavorite

Akiko0709 小松菜、今まで茹でてから冷凍してた…茹でなくてもいいなんてー! 9ヶ月前 replyretweetfavorite

sendaitribune 現代ロジカルクッキングといえばこちらの方>>> 9ヶ月前 replyretweetfavorite

yuenchi12 これすごい。https://t.co/x51zRGWNbz 9ヶ月前 replyretweetfavorite