音楽業界と出版業界の違いは「図書館」という存在があること
まったく本の話に関係ないんですけど、最近、音楽を聴くのにAmazonのPrime Musicを使うようになりまして。
これまではiTunesで好きな曲をダウンロードしたり好きなCDを借りてきたりして聴いてたんですけど。あとYouTubeで好きな曲があったら聴いたりとか。
だけど、もともと使ってるPrimeサービスで音楽も聴けるじゃないか~! と気づいてから、そちらを使うようになったわけです。
で。まんまと。思った。
やっぱ聴き放題のサービスって、すごいわ! べんりー!
いや流行に敏感なcakes読者さんからしてみれば「お、おせえっ」って思われそーですが。
でもほんとにストリーミング配信サービス的な聴き放題ってすごい。とりあえず気になった曲を探せば、その周辺の曲(たとえば同じアルバムに入ってる曲とか同じ時代に活躍してる人の曲とか)も一緒に聴けるんですもん。音楽詳しくないわたしですらApple MusicとかSpotifyとか登録しようかなぁと検討しましたわ。
広大にあるCDアルバムの海から「このCDもどうでしょう」っておすすめされるの、やっぱりたのしい。
で、思うのは、「本もストリーミング配信サービス的になってくのか!?」ってことです。
いや~~~これねぇ。
音楽のストリーミング配信が便利~と思ってからというもの、ちょこちょこ本でもこれ流行るのかなぁ? と調べてみたんですけど。
まず配信っつってー思いつくのはAmazonさんのKindle Unlimitedでしょう。個人的には読める本の範囲がそんなに広くない、のが懸念事項かなぁ。もう少し点数増やしてほしいと思ったり。契約が難しいのかもですが。
あと雑誌ならdマガジン、漫画ならLINEマンガなんかが読み放題サービスでは有名ですよね。いま流行ってる読み放題サービスって「本全般!」というよりは「雑誌」「漫画」といったジャンル特化型なのかもしれません。
そして次に気づくわけです。
「や、そもそも図書館って一大読み放題サービスだよな~~」と。
もちろん公共施設なので商業サービスじゃないんですけど。でも出版社の利益を考えない一読者としては完全に図書館ってUnlimitedな本読める場所なんですよね。
えーでも図書館は本をおすすめしてるわけじゃないじゃん! とツッコミが聞こえてきそうですが。
アメリカの一都市で、無料で短編小説を印刷してくれるマシン「文学キオスク」ができた
というニュースがありまして。
これ面白くないですか!? アメリカの「文学の町」アイオワシティでの試みだそうで。昨年10月から公立図書館の巡回を始め、利用は3,000回以上(多いなー)。
これね、なにが面白いって、〈1・3・5分〉という読書時間を選ぶと、パブリックドメインにある短編から一つを印刷して出してくれること。
わたしもたまに人におすすめするんですが、読書時間って発想はなかった。
たしかにKindleを買うときって「どれくらいの分厚さかわからないのって意外とためらう」んですよね。どれくらい時間がかかりそうな本かわからないと、なんとな~く身構える(その点、漫画は一冊の分量が決まってるので買いやすい)。
だからこそ、もし電子書籍読み放題サービスがこの先本格的に流行ったとき「読書時間ごとに」わけるのも一興なのかもしれない。あるいは書評なんかも、「どれくらいの時間で読みたいか」「どれくらい重いものを読みたいか」でわけられると楽しいですよね。
しかし1分で読める短編小説って何が出てくるんだろう、気になる。
そうなんですよね。どんなに読み放題サービスが流通したところで、「どうやって本を選ぶか?」という選ぶ自分がいないと意味がないんですよね。
あるいは、「この本おすすめだよ!」って言ってくれるリコメンドがなきゃ、なかなか新しい本とは出会えない。
だからこそAmazonみたいに、購入履歴からリコメンドしてもらうのも面白いんですけど。ジャンルや暗さや分厚さや、はては読書時間までいろんな視点からの「リコメンド」が、本屋やネットショッピングや電子書籍サービスまで(?)広まってゆくと面白そうだな~と思ったり。
とりあえずひとまずの結論としては、【2019年現在はなんかのサービスよりも、信頼できる人がおすすめしてる本を読むのが、一番面白い本に出会える】ということ……。
だって今のところ信頼してる書評家さんのツイッターやエッセイがいちばん面白い本に出会える場所なんだもん!
というわけで本日のおすすめの一冊はこちら。わたしの信頼してる書評家さんの本です。
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