不安でたまらない心の悲鳴

「敏感気質(HSP/HSC)」の第一人者・長沼睦雄先生が10代(と、そして大人)に贈る、心の疲れをラクにする方法。朝起きると「また一日が始まる」と、どんよりした気分になっていませんか? 人間関係、勉強、家族、容姿…ストレス社会で生き延びる技術を紹介します。『10代のための疲れた心がラクになる本』をcakesで特別連載!(毎週火曜・金曜更新)

不安でたまらない心の悲鳴

「不安の回路」の働きが活発になって、何かが無性に気になってしまう人もたくさんいます。いくつか例を挙げてみましょう。

 □ 人の視線がすごく気になる
 □ 自分が「くさい」のではないかと気になって仕方ない
 □ 人に言えない性の悩みがある

●人の視線が気になるのは……視線恐怖です

「何、ジロジロ見てんだよ!」
 君はこんな言葉を吐いてしまったことはありませんか。
 子ども時代というのは、自分の主観の世界に生きています。ほかの人はあまり関係ない。というか「自己」と「他者」という感覚がまだありません。
 しかし10歳くらいから、徐々に社会性が芽生えてきます。
 それによって「他人の目」というものを意識する気持ちが生まれてきます。自分も人のことが気になるけれど、ほかの人が自分をどう見ているかということも気になるようになるわけです。
 そんな変化のなかで、人の視線に強い不安を感じるようなことも出てきます。
「何、ジロジロ見てんだよ!」の心は、「そんなに見ないで。怖いから」なのです。
 風邪を引いているわけでもなく、花粉症の時期でなくても、マスクを外せない人もいます。マスクは顔を隠してくれるから、人の視線から自分を守ってくれる防具になっているのです。
 日ざしがまぶしいわけではないのに、サングラスをかけたがる中高生もいます。それも人の視線から自分を守ろうとしているためだと思います。

●自分のにおいが気になるのは……自己臭恐怖です

 自分のにおいを気にする人は、けっこう多いですね。しょっちゅう鼻をクンクンさせて「大丈夫かな」と確かめていたり、毎日、長風呂をする。意外と男子によくいます。
 そうなるには、何かきっかけがあったはずです。たとえば、自室に入ってきた家族から、「この部屋、なんかくさい」と言われたことがあるとかね。
 閉めきって換気をしていない部屋のことを言われたのに、自分がくさいと言われたように思って、それ以来、自分のにおいが気になるようになったというのは、わりとある話です。

 ちょっとしたことが気になってどうしようもなくなる、しかも自分によくないこととして思いこんでしまうのは、思春期の特徴です。
 同じような恐怖の症状に「醜形恐怖」「不完全恐怖」などもあります。
 醜形恐怖とは、自分の容姿に強いコンプレックスをもち、そのために人から嫌われている、と思いこんでしまうもの。こういう人は、それこそマスクを手放せないですし、人に見られるのがイヤでひきこもってしまうこともあります。自傷にはしってしまう場合もあります。
 不完全恐怖とは、言葉どおり、「完璧にできていないんじゃないか」と気になって仕方ないという不安。明日持っていくものを全部そろえていないんじゃないか、何か忘れているんじゃないかと、何度も確認してしまうのです。
「摂食障害」の拒食、過食も、不安から始まります。
「自分は太っている」という思いこみからダイエットを始める。食べると太るという強迫観念で食べられなくなってしまう。あるいは、食べても吐き出せば太らないと思って過食をしては吐く。
 神経性やせ症になり、栄養失調で深刻なまでに体調を崩してしまうこともありますが、もとは全部思いこみの強さからきています。
 これらはみんな、扁桃体が過剰反応しているためと考えるべきです。思春期の脳は抑制が利かない。暴走して「不安の回路」が強くなっているのです。

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10代のための疲れた心がラクになる本

長沼 睦雄

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