つらさを伝えられないのは「結びつかない」から
自分の身体の声に気づけてはいるけれど、それが自分をラクにすることにつながっていない、そんな人も多いようです。
その理由は、ふたつあります。
ひとつは「身体と心がつながっている」ものだという意識がないこと。
体調の問題は、身体に起きているトラブルだとしか考えられない。心の悩みは、気持ちの問題だとしかとらえられない。体調不良と心の悩みがつながって起きている──これを「心身相関」といいます──、密接に関連していると思えないでしょう?身体と心が分断されているのです。
そして、つらくなって訴えるのは身体症状です。
「朝、起きられない。めまいがする」と言う。
「お腹が痛くてどうしようもない」と言う。
ウソをついているわけではなくて、それが心にのしかかっている緊張感とつながっている事実を知らないのです。
今回知ったことで、身体と心は連動しているという視点を新たにもつことができるようになったと思います。一歩前進ですよ。
もうひとつは、「うまく言葉で表現できない」ということ。
10代の脳は未成熟です。自分の感情、思考、あるいは状況を、大人のようにうまく言いあらわすという回路が完成していないのです。頭ではわかっていても、感情、感覚と言葉が結びつかない。
ぼくらはそれを「言語化が弱い」と言っています。
思春期のモヤモヤ感のなかには、自分が感じていることを的確に表現できない、という感覚もあります。
身体と心は分断しているし、感情と言葉も分断している、だから言いたいことをうまく伝えられない。もどかしいはずです。
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